中皮腫「栗ちゃん」残した光(その1) 「余命1年」から20年 仲間励まし行脚
毎日新聞
2019/12/24 東京夕刊
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「栗ちゃん」。仲間にそう親しまれた一人のがん患者が今年6月に亡くなった。アスベスト(石綿)が原因とされる中皮腫で「余命1年」と宣告されたものの、4度の手術を経て20年近くも命をつないだ。病状が悪化して死期を悟った最後の2年間、同じ病の患者を勇気づけるために全国を行脚し、生きる希望を振りまいた。【大久保昂】
JR静岡駅に近い居酒屋に今月8日、全国の中皮腫患者や遺族ら約40人が集った。2017年から「中皮腫サポートキャラバン隊」を率いて各地の患者を励まし、半年前に故郷の静岡市の病院で、52歳でこの世を去った栗田英司さんをしのぶためだ。「彼のお陰で成長できた。栗ちゃんの遺志を引き継ぎたい」。盟友として共に活動してきた右田孝雄さん(55)=大阪府岬町=が誓いの言葉を述べると、キャラバン隊を通じてつながり合…
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