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海外特派員がそれぞれの赴任先の「街角」で感じたことを届けるコラム。

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語る墓、語らぬ墓 カイロ支局・篠田航一

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 かつてカルタゴという通商国家があった。地中海を舞台に海上交易で栄えたが、紀元前146年にローマに滅ぼされた。

 今の北アフリカ・チュニジアにカルタゴの遺跡がある。その一つ、小さな墓石が雑然と並ぶ「トフェの墓地」に伝わる話はなかなかショッキングだ。ここからたくさん見つかったのは、炭化した幼児の骨。神にささげるため、生きたまま焼かれたと伝えられている。

 だが、古代は今より乳幼児死亡率が高かったはずで、通常の火葬の跡だという説もある。征服したローマ人が、宿敵カルタゴの残忍さを強調するため「いけにえ説」を広めたとの見方だ。

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