「失敗」一転「おめでた」? 人工繁殖のライチョウ、ふ化の可能性 富山

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抱卵中の母ライチョウ=富山市ファミリーパーク提供
抱卵中の母ライチョウ=富山市ファミリーパーク提供

 富山市ファミリーパークは2日、人工繁殖事業に取り組む国の特別天然記念物、ニホンライチョウが6月に産んだ卵3個について「ふ化の可能性がある」と発表した。当初は交尾に失敗したとみていたが、一転してふ化への希望が生まれ、飼育員らは喜びに沸いている。

 同パークによると、4歳の母鳥は2016年に乗鞍岳で採取した卵からふ化した雌。翌年から毎年繁殖に成功し、19年は自ら抱卵してふ化させる自然繁殖にも成功した。

 今年は5月末から2歳の雄と交尾を始め、6月13日までに計9個を産卵。抱卵を続けていた。しかし交尾が成功した際に見られる「雌が尾を上げる」現象がなく、いずれもふ化しない無精卵と判断していた。

 ところが同27日、念のため全卵を検査したところ、3個で卵が育っていることが分かった。同パークが10年にニホンライチョウの亜種・スバールバルライチョウの人工繁殖を開始して以来、初の事例という。

 卵は今月4~5日にもふ化する予定。担当者はライチョウの生態について「まだまだ分からないことが多い」と首をかしげている。【青山郁子】

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