アイヌ文化復興の拠点「ウポポイ」12日オープン 独特の世界観を紹介 北海道白老

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「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で、券売所やレストランなどが並ぶエントランス棟。奥は国立アイヌ民族博物館=北海道白老町で2019年12月19日、貝塚太一撮影
「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で、券売所やレストランなどが並ぶエントランス棟。奥は国立アイヌ民族博物館=北海道白老町で2019年12月19日、貝塚太一撮影

 国が初めてアイヌ民族の文化の復興・発展の拠点として整備した民族共生象徴空間(愛称・ウポポイ)が12日、北海道白老町のポロト湖畔に開業する。幾多の苦難を生き抜いてきたアイヌさながらに、当初予定の4月から2度にわたる開業延期と集客への不安をもたらした新型コロナウイルスの感染拡大という難局を乗り越え、国内外への先住民族の文化発信を目指す。【山下智恵】

 各地のアイヌや地元自治体による施設はあったが、ウポポイは存立の危機にあるアイヌ文化に関する「ナショナルセンター」で、迫害や差別を受けてきた民族の歴史や自然との共生に根ざした独特の世界観などを豊富な資料で紹介。ユネスコ無形文化遺産の「アイヌ古式舞踊」やムックリ(口琴)などの楽器演奏といった伝統芸能の鑑賞のほか、料理や刺しゅう・工芸品の制作など、さまざまな体験も提供する。

植栽はアイヌゆかりの植物で、伝統的家屋「チセ(家)」群も再現。レストランでは伝統料理や食材を生かしたメニューがそろい、五感でアイヌ文化を楽しめる。明治から昭和に学術調査名目で各地のコタン(集落)から遺骨が持ち出され、アイヌによる返還訴訟が相次いだ経緯を踏まえ、研究施設などに保管されていた遺骨を納める「慰霊施設」が初めて整備された。

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