喜び共有、映画館でこそ コロナ禍でも「楽観貫きたい」 俳優・片桐はいりさん
毎日新聞
2020/8/3 東京夕刊
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コロナ禍で映画館などのエンターテインメント業界は試練に立たされている。ようやく第1波が去り、少し息をついた途端に再び感染が拡大。観客はなかなか戻らない。シアターの入り口でチケットの半券をもぎ取る「もぎり」のボランティアを続けてきた俳優の片桐はいりさん(57)は今、何を思うか。行きつけの映画館「キネカ大森」(東京都品川区)を訪ねた。
「もぎりはたぶん、もうできないです。絶滅したと思っています」。白いマスクを着けた片桐さんはそうつぶやいた。黒い瞳が悲しそうに沈んでいる。
幼い頃に映画に魅せられ、その世界に近づきたいと、大学生になって東京・銀座の映画館でアルバイトをした。これが片桐さんのもぎり人生の始まりだった。俳優として有名になった後も時間を見つけてはもぎりを続け、キネカ大森には毎週のように足を運んでいた。
だ…
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