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(講談社選書メチエ・1925円)
生身に求めた悟りの世界
鎌倉時代の代表的な仏師といえば、何と言っても運慶だろう。高野山・金剛峯寺の八大童子像や奈良・興福寺北円堂の無著(むじゃく)・世親(せしん)像は、広く人口に膾炙(かいしゃ)している。2017年に東京国立博物館で開催された特別展「運慶」は、来場者60万人を超える大盛況で幕を閉じた。
運慶の仏像を表現する際に、決まって使われてきたのが「写実的」という言葉である。その力強さ、迫真性、実在感は、日本彫刻史の最高峰と目され、繰り返し「天才」と称されてきた。
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