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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。

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「菅語」を考える

緊急事態なのに「あいさつ」 響かない首相会見 青木理さんが考えたメディアの責任

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菅首相=首相官邸で2021年1月7日午後6時32分(代表撮影)
菅首相=首相官邸で2021年1月7日午後6時32分(代表撮影)

 菅義偉首相の言葉が相変わらず響いてこない。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、首都圏などに2度目の緊急事態宣言も発令された。その記者会見で菅首相は「全力で乗り越える」などと言うのだが、具体的な道筋は示されないのだ。鋭い分析で日本社会を見つめてきたジャーナリストの青木理さんは「言葉なき政治」が行き着く先を懸念する。【金志尚/統合デジタル取材センター】

もはや笑ってしまう

 ――2度目の緊急事態宣言を発表した1月7日の記者会見などでの菅首相の発言をどう聞きましたか。

 ◆具体性にも熱量にも乏しく、心に何も残りませんでした。むしろあぜんとしましたよね。たとえば冒頭発言の最後に語った「いま一度、ご協力賜りますことをお願いして、私からのあいさつとさせていただきます」というせりふ。緊急事態の宣言は「あいさつ」ですか。いや、言葉尻を捉えるつもりはなくとも、危機感や切迫感がみじんも伝わらない。もはや笑ってしまうほどです。

 その菅氏が安倍前政権下で7年8カ月、官房長官を務め、会見をそつなくこなす様子から「鉄壁のガースー」などと評されていたわけです。メディア界にいながら政治記者ではない僕は、…

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