遺品なく身元確認、国内初 硫黄島収容、戦没者2遺骨

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 太平洋戦争の激戦地、硫黄島(東京都小笠原村)で収容された日本人の遺骨2体について、身元の特定につながる遺品がないまま遺族とのDNA情報の照合で身元が確認された。こうした方法で身元が判明したのは、太平洋中部のタラワ環礁(キリバス)の2体に次いで3例目。国内では初めてとなった。

 田村憲久厚生労働相が27日の参院予算委員会で、白真勲議員(立憲民主党)の質問に答えた。厚労省によると、昨年12月の戦没者遺骨のDNA鑑定人会議で確認。硫黄島での2体は2010年度と14年度に収容されたもので、遺族からは「信じられない」「奇跡だ。本人も早く家に帰りたかったのだろう」といった反応があったという。

 硫黄島では、1945年2月19日に米軍が上陸し、1カ月あまりの戦いで日本兵や軍属2万1900人が戦死した。硫黄島で収容された遺骨のうち、DNA鑑定が可能なものは528あり、今後も遺族の希望に応じて遺品なしの鑑定を行う。菅義偉首相はこの日の同委員会で、約1万人の日本兵が戦死したペリリュー島(パラオ)などにも対象地域を広げることを検討していると答弁した。

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