TPP巡り「米か、中か」踏み絵 「トランプ後」の自由貿易の行方
毎日新聞
2021/2/23 18:00(最終更新 2/24 16:22)
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保護主義を掲げた米国のトランプ政権が退場し、世界で自由貿易体制の再構築を模索する動きが始まった。日本など11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、英国が加盟申請して拡大の機運が生まれる中、中国も加盟に前のめりな姿勢を見せており、米中の駆け引きの舞台になりそうだ。機能不全が続く世界貿易機関(WTO)が新事務局長の下、自由貿易への信任を回復できるかも焦点になる。
微妙な立場の日本
「新型コロナウイルスの壊滅的な衝撃から回復を目指す時、志を同じくする同盟国が協力して自由貿易を主張し、行動に移すことが重要だ」。トラス英国際貿易相はTPPに加盟申請する意義をこう強調した。
英国は昨年末、欧州連合(EU)から完全に離脱。EU本部の官僚支配から脱し、「英国の潜在力を解き放つ」(ジョンソン首相)をスローガンに、アジア太平洋諸国との連携強化や経済の補完を狙う。さらにはTPP参加国であるオーストラリア、ニュージーランドなど英連邦諸国を巻き込み、外交上の存在感向上を目指す「グローバルブリテン」構想の足がかりにする思惑もある。
英国の加盟申請は、米国に振り回されたTPPが拡大する契機になる。TPPは2016年2月に12カ国が署名したが、米国がトランプ政権の誕生直後に離脱。世界全体に占める参加国の国内総生産(GDP)の割合は当初見込まれた38%から13%へと大きく低下した。英国が参加しても16%になる程度だが、参加国が初めて「環太平洋」の外に広がるほか、参加に関心を示すタイや韓国などの背中を押す可能性がある。
TPPは元々、日米を中心に…
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