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第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で52年ぶり3回目出場の宮崎商は大会第2日の20日第1試合で天理(奈良)と対戦することが決まり、準備に余念がない。県立校ながら九州代表として大舞台に挑む選手たちを支えてきた人たちを紹介する。【塩月由香】
「ジャッ、ジャッ、ジャッ」。組み合わせ抽選会が開かれた2月23日午前8時過ぎ、野球部員の掛け声が響き始めたグラウンド近くの洗い場に、白米8升を研ぐ部マネジャーの林田優海さん、本山陽菜さん、日野香花さんの姿があった。春めいてきたとはいえ水は冷たく指が赤く染まる。研ぎ汁はなかなか透明にならず、何度も水を替え、炊飯器4台がある約40メートル先の部室へとよろけながら運んだ。
橋口光朗監督が始めた冬の肉体強化策「食トレ」準備だ。選手は平日は練習前に1人1合、週末の長時間練習日は月に数回、昼に3合食べるのがノルマ。選手は1、2年生で43人いるため平日は夕方までに44合、週末は昼までに15升炊く必要がある。3合の日はカレーなど選手持参のレトルト食品を人数分、湯煎する作業が加わる。
こうした気の遠くなる作業を担っているのがマネジャーの男女9人。1年は長瀬心美さん、他は2年生だ。
機動力は高い。ローテーションで回す飲食準備のほか、守備練習時の監督コーチへの球渡しからデータの測定分析、洗濯、掃除、グラウンド整備、経理と多様。出場決定後に一気に増えた部長らの書類作成業務や報道対応も手伝う。
全員、野球経験者の家族や友人がいる。見守るうち自身にも野球愛が芽生えた。帰宅しても練習に励む兄を見て「努力している人を一番近くで支えたい」と入部した川野莉奈さん。弟が野球部の本山さんはバレー部員だった中学時代、足のけがでサポート役の大切さを知った。林田さんと日野さんは兄が宮崎商野球部OB。応急処置技術を持つ楠元優希さんは2012年夏に兄がいた宮崎工の応援で甲子園に行き「もう一度感動を」と入部した。
活躍できない選手も気配りで支えてきた9人。甲子園でも全員野球の一翼を担う。
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