はやぶさ2試料解析の舞台裏 まさかのゴロゴロ、容器がない/下
毎日新聞
2021/3/17 10:00(最終更新 3/17 10:00)
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探査機「はやぶさ2」は2020年12月、「多くてこれくらいだろう」と事前に想定された量をはるかに超える小惑星リュウグウの砂や石を地球へ届けた。これからリュウグウの砂粒一つずつの特徴を記録する「カタログ」を作るキュレーション作業が本格化する。はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの物質をめぐる動きを紹介する2回目は、キュレーション作業のとりまとめ役である臼井寛裕(ともひろ)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球外物質研究グループ長に、カタログ作りの舞台裏や地球外物質を分析する面白さを聞く。【永山悦子/オピニオングループ】
はやぶさ2が地球へ届けるリュウグウの物質の当初の目標量は、0.1グラムだった。10年に先代はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったカプセルの中には、目に見えないほど小さな物質しか入っていなかったため、「(はやぶさ2では)目に見える物質が入っていてほしい」「ティースプーン1杯くらいはほしい」というのが、プロジェクトチームの願いだった。
ところが、はやぶさ2のカプセルを開くと、容器からあふれるほどの砂や石が入っていた。重さは5.4グラムあるとされ、目標の50倍以上だった。重さだけではなく、粒の大きさもびっくりするサイズだった。数ミリある粒がゴロゴロ入っていたほか、長さが1センチもある石もあった。津田雄一・プロジェクトマネジャーが「見た時は、ぎょっとした」と話したほどだ。…
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