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東芝経営問題

東芝が上場廃止した上で経営再建を進めることに。不正会計問題発覚後から続いてきた負の歴史から、脱却できるのでしょうか。

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東芝、不可思議な英買収提案 「猛獣」物言う株主と深めた対立

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東芝の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)=東京都港区で2018年11月8日、小川昌宏撮影
東芝の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)=東京都港区で2018年11月8日、小川昌宏撮影

 英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどによる東芝への買収提案は、東芝経営陣と「物言う株主」の間で深まる対立が呼び水になったとの見方が広がっている。6月の定時株主総会で、車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)の再任に多くの株主の賛同が得られるかどうかが焦点になる中、車谷氏の「古巣」であるCVCの登場で、両者の力関係が変化する可能性が出てきた。

「車谷政権」揺るがし始め

 「提案は来ている。これから取締役会で議論する」。東芝の車谷氏は7日朝、「英投資ファンドが東芝に買収提案」との一部報道を受けて集まった記者団の取材に淡々と応じた。

 車谷氏と「物言う株主」との対立は深刻度を増している。特に2017年に約6000億円の増資を行った際に筆頭株主となったシンガポールのファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは、積極的な提案スタイルから業界で「猛獣」とも呼ばれる。

 20年7月の定時株主総会では、自らが推す取締役の就任を提案。否決はされたものの、車谷氏の取締役再任への賛成票は約57%と選任を求めた12人中最低となるなど、「車谷政権」を揺るがし始めた。この時に一部株主の議決権が無効になっていたことが判明すると、今年3月の臨時総会ではこの問題の再調査を提案。他の株主にも支持を広げ、この提案が可決されたことで、市場では「車谷氏が再任されるかどうか、次の総会では波乱もあり得る」との見方が広がっていた。

 こうした中で明るみに出たCVCの買収提案。…

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