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日本列島人類史の最初期の姿が見えている――と、昨夏話題になった後期旧石器時代初頭の「香坂山(こうさかやま)遺跡」(長野県佐久市、3万6800年前)の今年の発掘が終わった。新たに大型石刃(せきじん)の製作地点が出土するなど、通説を覆す資料が劇的に加わり、ますます重要性を増している。
香坂山遺跡は浅間山の東南約15キロ、標高1140メートルの山中に位置する。昨年、国武貞克・奈良文化財研究所考古第一研究室長がリーダーとなって調査し、ナイフのような形をした「石刃」と呼ばれる石器のうち長さ10センチを超す大型のもの、3~4センチの小型のもの、他に先のとがった大型の尖頭器(せんとうき)が出土した。
この3種の組み合わせは日本列島では未発見の一方、国武さんが調査してきたユーラシア大陸の後期旧石器時代の石器群とそっくりだった。タジキスタンのフッジ遺跡(4万7000年前)などだ。このため、大陸の後期旧石器文化がそのままの形で日本列島に入ってきた最初の姿を示す遺跡として注目された。
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