ふるさと納税で問われる使い道 「奇跡の町」から学べることは
毎日新聞
2021/12/21 06:00(最終更新 12/21 14:51)
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ふるさと納税で得た寄付金の「使い道」が問われている。国は説明を促すが、活用状況を公表していない自治体はいまだ、全体の2割に上る。そんな中、使い道を絞ってそれを積極的にPRしながら、人口増加を果たした「奇跡の町」もある。その秘訣(ひけつ)を知りたくて、北の大地に飛んだ。(第5回/全6回)
イベント終盤のトークセッション。町長がカメラの向こうに語り掛けた。「ふるさと納税の大事な寄付金が、どんなふうに使われているのかをお知らせするのは当然のこと……」
北海道のほぼ中央、大雪山のふもとに位置する上士幌(かみしほろ)町。11月下旬、町の魅力や取り組みを知ってもらおうと開いた特産品抽選会付きのオンラインイベントは、延べ5000人超が視聴した。新型コロナウイルス禍のため、東京で開いていた例年とは異なる趣向だったが、町の人口とほぼ同じ人数が参加する盛況ぶりで、「この町なら寄付金を有効に活用してもらえそうだと安心した」などと好意的な感想が相次いだ。
町はふるさと納税にいち早く本腰を入れた。黒毛和牛やハチミツなどの特産品人気もあり、2013年度には前年度の15倍となる約2・4億円を集めた。
そこで目を向けたのが、…
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