展覧会 ガブリエル・シャネル展 MANIFESTE DE MODE そぎ落とす革新性=評・平林由梨

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
ドレス、1935-37年秋冬、ろう引きしたレーヨンのクロッケ、パリ、パトリモアンヌ・シャネル、©Julien T. Hamon
ドレス、1935-37年秋冬、ろう引きしたレーヨンのクロッケ、パリ、パトリモアンヌ・シャネル、©Julien T. Hamon

 20世紀の女性の装いを変えたとされるデザイナー、ガブリエル・シャネル(1883~1971年)を回顧する展覧会が東京・丸の内の三菱一号館美術館で開かれている。9月25日まで。シャネルの前衛的な姿を印象づける本展は、2020年に仏ガリエラ宮パリ市立モード美術館から始まった世界巡回展で、三菱一号館美術館では、漆黒の空間が作品を引き立てていた。

 シャネルは、型にはまった女性らしさの表現に追随する服作りはしなかった。その姿勢を象徴するのが「リトルブラックドレス」だろう。例えば1930年代に制作したイブニングドレス。それまでのドレスには使われなかった無地で光沢のない黒い布は「喪服を連想させる」と批判も集めた。しかし、グラフィカルなカッティングが強調され、どの時代にも属さない個性を宿すドレスになった。また、単色のシンプルでミニマルなドレスやケ…

この記事は有料記事です。

残り419文字(全文789文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月