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伊勢で古くから親しまれているのは煮干しのだし。昆布は原材料が北海道、加工技術が関西に源流を持つ。どちらにもゆかりのない伊勢で、昆布製品を製造販売する「酒徳(さかとく)昆布」(三重県伊勢市神久)は、今年で創業110年を迎えた。煮干しの伊勢で、昆布屋が栄えた秘密とは?
財団法人「五十鈴塾」が企画した地元老舗の代表者らによる市民講座で、同社社長の里村悟さん(62)が「昆布を通して伊勢の市民に『生成り文化』を伝える」と題した講演を行った。
里村さんによると、元々、酒徳家の家業は江戸末期には藍染めと機織り。明治時代、海外から大型織機の輸入が相次ぎ、国内で織物の工業化と競争が激化したため、当時の当主が商売替えを決意した。知人に北海道の昆布漁関係者がいたことで、昆布の卸売業を始めたという。
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