煮干し主流の伊勢で栄えた昆布 「生成り文化」と老舗の秘密

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市民講座で各種昆布のだしの飲み比べを参加者に体験してもらう里村さん(写真左)と妻の純子さん(中央手前)=三重県伊勢市で2022年9月7日午後2時26分、尾崎稔裕撮影
市民講座で各種昆布のだしの飲み比べを参加者に体験してもらう里村さん(写真左)と妻の純子さん(中央手前)=三重県伊勢市で2022年9月7日午後2時26分、尾崎稔裕撮影

 伊勢で古くから親しまれているのは煮干しのだし。昆布は原材料が北海道、加工技術が関西に源流を持つ。どちらにもゆかりのない伊勢で、昆布製品を製造販売する「酒徳(さかとく)昆布」(三重県伊勢市神久)は、今年で創業110年を迎えた。煮干しの伊勢で、昆布屋が栄えた秘密とは?

 財団法人「五十鈴塾」が企画した地元老舗の代表者らによる市民講座で、同社社長の里村悟さん(62)が「昆布を通して伊勢の市民に『生成り文化』を伝える」と題した講演を行った。

 里村さんによると、元々、酒徳家の家業は江戸末期には藍染めと機織り。明治時代、海外から大型織機の輸入が相次ぎ、国内で織物の工業化と競争が激化したため、当時の当主が商売替えを決意した。知人に北海道の昆布漁関係者がいたことで、昆布の卸売業を始めたという。

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