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ヒット商品の開発者やトップセールスを誇る営業担当者。第一線で活躍する人々の仕事ぶりに記者が密着します。

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流行つかむ目利き力が勝負 コンビニ業界の“花形”食品開発者の仕事とは

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2024年の正月用に準備が進むローソンの「もったいないおせち」のサンプル=東京都内で2023年4月、竹地広憲撮影
2024年の正月用に準備が進むローソンの「もったいないおせち」のサンプル=東京都内で2023年4月、竹地広憲撮影

 私たちの生活に欠かせない存在となっているコンビニエンスストア。看板商品である弁当やおにぎり、デザートといった食品は、各社が開発にしのぎを削っている。そんなオリジナルの商品を企画するのが「マーチャンダイザー(MD)」と呼ばれる人々だ。企画から発売まで一貫して担う仕事で、コンビニ各社でも「花形」とされる。MDの仕事の現場を追った。

 「これは冷めても軟らかい」「全体のバランスを考えると少ししょっぱいかな」。3月上旬、東京都内のローソン本社で、商品の開発会議が開かれていた。小さな会議室のテーブルにやや形の不ぞろいな3種類の焼き豚の切れ端が並び、食欲をそそる香りが漂う。

 これは、2024年の正月向けに販売するおせち料理の商品開発会議だ。仕切るのは、同社商品本部のチーフMD、東郷直哉さん(44)。この日は、東郷さんの呼びかけで食材会社3社の担当者が焼き豚を持ち寄った。試食した東郷さんらは、担当者から商品の特徴や製法などを聞き取り、その中から一つを選んだ。食感が良いだけでなく、必要な数量が確保できることが決め手になったという。

 食材会社はそれぞれライバル関係にあるが、ローソンでは…

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