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その中身とは、インドの工場で研磨加工され、欧州へ輸出される寸前に強奪された大量のダイヤモンドの一部だった。強奪団のひとりは親組織の関係者だったことから、沢田龍…
<小説:ブラック・チェンバー・ミュージック>米朝の駆け引きが続く国際情勢を背景にしたフィクション。著者は阿部和重さん、写真は相川博昭さん。
著者・阿部和重
1968年山形県生まれ。日本映画学校卒業。1994年に「アメリカの夜」でデビュー。以後、ポップカルチャーをちりばめた世界観や緻密な描写で評価と人気を集めた。2005年「グランド・フィナーレ」で芥川賞。「シンセミア」(毎日出版文化賞など)「ピストルズ」(谷崎潤一郎賞)に続く、出身地を舞台にした「神町トリロジー」の完結編「オーガ(二)ズム」を9月26日に文芸春秋から刊行。
写真・相川博昭
1969年神奈川県生まれ。日本映画学校を91年に卒業。映像制作や写真撮影が専門で、現在、フリーの写真家として活動。映画学校で同級生だった作家・阿部和重さんと親交があり、阿部さんの過去作品「シンセミア」の雑誌連載でもタッグを組んだ。青山真治監督の映画「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」のスチールなども手がけた。
その中身とは、インドの工場で研磨加工され、欧州へ輸出される寸前に強奪された大量のダイヤモンドの一部だった。強奪団のひとりは親組織の関係者だったことから、沢田龍…
「ダイヤモンドなら賄賂になりますよね」 言っちまいやがったという具合に、沢田龍介は首を横に振りながらうなだれてしまった。そこへすかさず「どうせ盗品でしょう、あん…
● その翌夜、熊倉書店のみんなでハナコ(﹅﹅﹅)の送別会を開くことになった。会場は左隣にあるビル一階のレストランバーだ。 ちょうど個…
● ハナコ(﹅﹅﹅)が韓順姫の要求に応える機会は早々に訪れた。それがそのまま自分たちの別離になることを悟っていた横口健二は、悲しむま…
情勢の変化により、ニセモノであるのは明白な配信者がどこまで嘘(うそ)をつきとおせるか、実験を試み結果を見とどけるという視聴者参加形式の鑑賞法が定着した。本人い…
その説明ならとつぜん天知が浅草にあらわれたことにも合点がゆく。が、腑(ふ)に落ちない点もないではない。これもすなわち花やしきだ。ピンポイントでそこが弟田口の居…
その決断の意味はおおきい。故国への裏ぎりになるからと、ハナコ(﹅﹅﹅)はこれまで徹底して南朝鮮政府職員との面会を避けてきたのだ。窮地に陥り、やむなく態度を変更…
● 結局のところ、あの日の運勢はよかったのか悪かったのか判断がつかない。追いまわされ、殺されかけはしたものの、結果的には死なずに済んだ。その意味ではついていた…
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