本・書評
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ミシュランガイド奈良2022特別版 101店選出、二つ星4店 県内できょう発売 /奈良
2022/5/19 05:18 815文字日本ミシュランタイヤ(東京)は、県内の飲食店やレストランを格付けした書籍「ミシュランガイド奈良2022特別版」の掲載店を発表した。格付けはウェブサイト限定で公開した2016年以来6年ぶりで、奈良単独での書籍化は初めて。14市町村の101店を選び、4店が県内最高となる二つ星を獲得した。 19年秋から
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長与専斎の漫画刊行 大村市文化・スポーツ振興財団 /長崎
2022/5/18 05:25 346文字大村市の外郭団体「市文化・スポーツ振興財団」が、大村出身の医師、長与専斎(1838~1902年)を顕彰する「まんがおおむら人物伝・長与専斎」を1万冊刊行した。東京に下水道を敷設した専斎は「衛生の父」として知られる。 B6判124ページ。大村での少年時代から、文部省医務局長となって下水道を敷設してコ
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SUNDAY LIBRARY
著者インタビュー 佐伯一麦『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』
2022/5/17 18:25 1440文字文学作品における作者と読者は机と椅子の関係に似ている◆『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』佐伯一麦・著(田畑書店/税込み2420円) 仙台で暮らす佐伯一麦さんは、作家生活30年を機に木工家のNさんに「一生ものの机」をつくってもらう。本書はその机をはじめ、筆記具、カメラ、眼鏡、図鑑、手紙などさま
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SUNDAY LIBRARY
工藤 美代子・評『野村萬斎 なぜ彼は一人勝ちなのか』中村雅之・著
2022/5/17 18:20 1560文字別の世界に飛び込んで研鑽を積み脈々と連なる伝統を守り抜く矜持◆『野村萬斎 なぜ彼は一人勝ちなのか』中村雅之・著(新潮新書/税込み924円) 初めて野村萬斎の写真を目にしたのは、週刊誌のグラビアだった。詳しいことは忘れたが、その美しさは強烈なインパクトを残した。 遠い昔、萬斎のご両親とお会いしたことが
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SUNDAY LIBRARY
本郷 和人・評『歴史思考』深井龍之介・著
2022/5/17 18:15 926文字古典を読むことで救われる悩みもある◆『歴史思考 世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する』深井龍之介・著(ダイヤモンド社/税込み1650円) 私は歴史の資料を編纂(へんさん)する仕事を本業としている。鎌倉時代の何年・何月・何日に、こういうことがあった、と歴史資料を読んで活字化する。その成果が『大
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SUNDAY LIBRARY
三浦 天紗子・評『「できる」と「できない」の間の人』樋口直美・著
2022/5/17 18:10 900文字下り坂の人生もそう悪いものではない◆『「できる」と「できない」の間の人』樋口直美・著(晶文社/税込み1650円) 40代のときにうつ病と誤診され、2012年にレビー小体型認知症の診断と治療に辿(たど)り着いた著者。そうした自身の経験を踏まえ、その病気になるとどんな症状が起きるか、どんなことに苦労する
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SUNDAY LIBRARY
岡崎 武志・評『別冊太陽 鏑木清方 市井に生きたまなざし』『いのちの秘義 レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の教え』ほか
2022/5/17 18:05 1802文字今週の新刊◆『別冊太陽 鏑木清方 市井に生きたまなざし』(平凡社/税込み2750円) 5月8日に終了となった大回顧展を東京国立近代美術館で観てきた(27日から京都国立近代美術館)。平日午後だったが、大勢の観覧者が詰めかけ、熱心に絵と向き合っていた。『別冊太陽 鏑木清方 市井に生きたまなざし』は鑑賞の
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SUNDAY LIBRARY
村松 友視・評『娼婦の本棚』『上品な人に見える食事のマナー』
2022/5/17 18:00 1484文字方法や流儀は人それぞれ 自分の形式(スタイル)とは何だろうか◆『娼婦の本棚』鈴木涼美・著(中公新書ラクレ/税込み946円)◆『上品な人に見える食事のマナー』(宝島社/税込み1210円) 『娼婦の本棚』の著者鈴木涼美は、このタイトルをつけた理由を、「おわりに」の文章においてさりげなく具体的に吐露してい
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レトロな田辺の歩き方 文筆家・甲斐みのりさん 紀行集を発行 /和歌山
2022/5/17 05:41 602文字昭和レトロの風情が残る田辺市の魅力をつづった文筆家、甲斐みのりさん(45)=東京都=の紀行集「田辺のたのしみ」(ミルブックス)が発刊された。街歩きの中で出合える路地の飲食店や老舗菓子店、名所旧跡など55カ所を写真と共に紹介している。 食の分野では38店を取り上げた。焼きそばと焼きうどんを混ぜた「江
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21日の書評欄は『夏が破れる』『タイムマシンのつくり方』ほか
2022/5/16 11:00 469文字5月21日(土)の毎日新聞朝刊「今週の本棚」で掲載予定の本の主なラインアップを紹介します。①鴻巣友季子さん評『左川ちか全集』(島田龍編・書肆侃侃房)②大竹文雄さん評『コロナと創薬』(橋本宗明著・日経BP)③佐藤優さん評『夏が破れる』(新庄耕著・小学館)④持田叙子さん評『13枚のピンぼけ写真』(キア
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京都・読書之森
愛国とは何か ヴェトナム戦争回顧録を読む /京都
2022/5/15 05:18 1184文字<活字を楽しむ> (V・N・ザップ著古川久雄訳・解題 京都大学学術出版会、3080円) 大国ロシアによるウクライナへの侵攻が続く今、47年前に終結したベトナム戦争に思いが至り、この書を手に取った。 現在のベトナムが米仏という二つの大国を追い出し完全な主権獲得と統一を果たした戦争。それを軍事面で指導
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孤高の登山家、漫画に 新温泉町出身、加藤文太郎の生涯描く 5300冊を製作 /兵庫
2022/5/15 05:16 1011文字単独行で知られる旧浜坂町(現新温泉町浜坂)出身の登山家、加藤文太郎(1905~36)の生涯を伝える伝記漫画本「マンガふるさとの偉人 孤高の登山家 加藤文太郎」を新温泉町教育委員会が製作した。古里の偉人の生き方を身近に感じてもらい、物事をやり遂げる心を子どもたちに育んでほしいという。【浜本年弘】 加
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幽霊や忍者なぜ描いた? 「不戦の戦中派」作家、山田風太郎
2022/5/15 05:00 2390文字幽霊に神、そして忍者――。戦後間もなくデビューした作家、山田風太郎(1922~2001年)は、この世ならざる存在や超人的な技を持つ忍びたちを描き続けた。史実と虚構が融合する奇想の味わいは「自ら『不戦の戦中派』と名乗ったことに秘密がある」と専門家は考える。<人は変わらない。そして、おそらく人間の引き
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乱読御免
伝えるプロのあくなき挑戦=今村翔吾
2022/5/15 02:02 1510文字<文化の森 Bunka no mori> 直木賞を受賞してから、10年分にも相当する多くのお祝いの言葉を掛けていただいた。4カ月たった今、そのお祝いの言葉に付け加え、「少しは落ち着いてきましたか」と聞かれることも増えてきた。微妙なところである。ほとんど変わらない。自ら多忙を求めてしまう傾向があるこ
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社会映すファッションの「なぜ」 執筆者30人、論考書
2022/5/15 02:00 940文字なぜ校則で不合理に服装が制限されるのか。なぜピンクは女の子の色と思われているのか。フィルムアート社から刊行された『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ』=写真=は、ファッションを巡るさまざまな「なぜ」を考える糸口を用意する。編者の一人で、京都精華大の蘆田(あしだ)裕史准教授(ファッション
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ひきこもり問題 経験者の社会学者が著書 その人の幸せと居場所を 生きづらさ生む「規範意識」をほどく
2022/5/14 15:16 1966文字人の目が気になって、宅配便を受け取る時ですらサインする手が震えた。高校を中退後、「ひきこもり」を経験した社会学者の伊藤康貴さん(37)が、自分史を切り口にひきこもり問題を考える著書を出した。今なお「生きづらさは完全には消えない」という伊藤さん。つらい日々には、「手本」の生き方に近づけない劣等感があ
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大前粟生さん新刊『きみだからさびしい』 ばらばらで“普通”の恋愛の形
2022/5/14 15:16 1376文字「どういう人も“普通”なんだっていうのを描きたかった」。現代を生きる若者たちの繊細で複雑な心の揺れをすくい上げる作家、大前粟生(あお)さん(29)の新刊『きみだからさびしい』(文芸春秋)=写真=は長編恋愛小説。登場するのは、ポリアモリー(複数恋愛)や同性愛など異なる指向や考えを持つ人たちだ。各自に
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マイナカードで貸し出し 宗像の市民図書館 /福岡
2022/5/14 05:38 335文字宗像市は今年度から、市内4カ所の市民図書館でマイナンバーカードを用いた図書館資料の貸し出しサービスを実施している。県内の公立図書館では初めてという。 利用者は図書館利用カードとマイナンバーカードを市内の各市民図書館窓口に持参し、4桁のパスワードを入力して登録。借りたい資料をマイナンバーカードと共に
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古本の楽しさを発信 県内店主の親睦団体発足 6月17~19日、お披露目イベント /三重
2022/5/14 05:05 1041文字県内の古書店主による親睦団体「三重県まちの古本屋さん協会」が発足した。日ごろから交流がある古書店主8人による任意組織で、読書好きや古書マニアなどに、活字メディア全般についてイベントやSNS(ネット交流サービス)で情報発信に取り組んでいく。協会発足のお披露目として6月17~19日の3日間、津市内でイ
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息子の死、真実求めて 米同時多発テロ、遺族が解説書 「加害者側の論理、知りたかった」 /東京
2022/5/14 02:07 1190文字2001年の米同時多発テロで、息子を亡くした目黒区の住山一貞さん(84)が米国の公式報告書を中心に各種資料を読み込んで考察した解説書「9/11の真実を求めて」を刊行した。昨秋に出版した報告書の全訳に続くものだ。息子を含む3000人近い民間人がなぜ殺されなければならなかったのか。問い続けた世界平和へ
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