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続・山の暮らしの中で

  • クッキングスクール=船尾美津子 /富山

     私の家から、ゆるやかな坂を下りると、「ロイ化粧品店」は、その角にある。 電車の停留所が目の前だから、降りてくる人人が、店内からよく見える。 「いろんな人の表情…

    (2018年11月7日 14:23)

  • 後楽園球場=船尾美津子 /富山

     電話のベルが鳴った。 急いで受話器を取り上げると、小学校の頃、仲の良かった千枝さんからだった。 今日は何をしようかと、ぼんやり考えていた時だった。 「あらぁ、…

    (2018年10月3日 12:57)

  • 3年の間に=船尾美津子 /富山

     涼しい風に吹かれながら、私たちは歩いていた。 丸の内にあるレストランで食事を済ませて、河野がよく行くという喫茶店へ向かっていた。 「疲れませんか」 と河野は私…

    (2018年9月6日 15:33)

  • 念願=船尾美津子 /富山

     都電に乗って日比谷で降りると、涼しい風が吹いていて、ワンピースの裾がひらひらする。 陽(ひ)が沈んで、暮れはじめたビル街を、河野に向かって私は歩き出した。 仕…

    (2018年8月9日 14:32)

  • 半人前=船尾美津子 /富山

     結核菌の培養検査でも、マイナスになり、私はやっと退院を許された。 それでも医師は、 「人の半分と思って生きて行くように」 と言った。 つまり、と私は思った。あ…

    (2018年7月4日 15:07)

  • 迷い子=船尾美津子 /富山

     河野がお見舞いに来てくれたその夜、私はなかなか寝付かれなかった。 河野に対する自分の気持ちを探りはじめたら、眠れなくなった。 午後9時の消燈(しょうとう)のあ…

    (2018年6月6日 14:17)

  • お見舞=船尾美津子 /富山

     唯一、外界とつながる渡り廊下は長く、その中位あたりに人はいた。 背の高いその人が誰なのか、私には分かっていた。 ベッドの上で半身を起こして待つ私は、気恥ずかし…

    (2018年5月9日 14:49)

  • 結核病棟=船尾美津子 /富山

     千葉の里山の、奥深くに22歳の私はいた。 国立結核療養所は深い緑に囲まれて、静かだった。 粗末な木造建築の、細長い病棟が、広大な松林の中にいくつか点在している…

    (2018年4月4日 14:42)

  • お米=船尾美津子 /富山

     台所から、何とも言えない良い匂いがしてくる。 戦後間もなくだから、電気炊飯器などはなく、まき(、、)で炊く「かまど」などもなく、わが家の釜は「ガス釜」である。…

    (2018年3月7日 14:36)

  • あのふたり=船尾美津子 /富山

     いつもと違う物音に、私は目を覚ました。 窓にかけたカーテンの隙間(すきま)から、青白い光が射(さ)している。 「何なの、こんなに早く」 と私はぶつぶつ言いなが…

    (2018年2月7日 14:36)

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