
証言でつづる戦争
戦争体験者は年々減り、未来に向けた証言の継承が危うい。戦後70年で毎日新聞が取り組んだ「千の証言」への投稿者を全国に訪ね、もう一度、戦争体験に耳を傾けた。証言を積み重ねれば国民が見た戦争史になる。第1部では、2・26事件で軍部の力が強大となり、日中戦争を経て太平洋戦争に突入した経緯を見た。第2部は、日本の進撃に対する連合国の反転攻勢から終戦前年までをたどる。
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宮城の実家で静養する岩淵辰雄(故人)は、1945(昭和20)年8月17日に発足した新内閣の顔ぶれを知り「これはダメだ」と危機感を抱いた。戦時中の閣僚ばかりで、…
(2016年09月02日 03:06)
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もっと早く戦争を終結できなかったのか−−。焦土と化した本土や沖縄、混乱する満州などで、そう感じた国民は少なくない。戦況が悪化し本土決戦準備が進む1945(昭和…
(2016年08月31日 03:36)
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福岡県の熊谷紀代(75)は、1952(昭和27)年春、6年生になった。玉音放送の日に祖母から「お父さんはすぐ帰ってくる」と聞いてから6年半。父の消息はまったく…
(2016年08月30日 03:06)
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「大事な放送があるから、ラジオを聴いてください」。警察官が泣きながら自転車で触れ回った。茨城県日立市から、約40キロ内陸の親戚宅に疎開した手島セツ(93)は「…
(2016年08月27日 03:36)
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ドイツの菓子職人、カール・ユーハイムとエリーゼ夫妻が神戸・三宮で営む店は、神戸になくてはならない顔になった。1930(昭和5)年に神戸で行われた海軍特別大演習…
(2016年08月26日 03:35)
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一人のドイツ人男性が、1945(昭和20)年8月14日夕、神戸・六甲山のホテルで静かに息を引き取った。ソファに体を沈め、妻と穏やかに語りながらの最期であった。…
(2016年08月25日 03:35)
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特攻に頼る日本は、練習機も投入するほど飛行機が足りない状態だった。工場への空爆が生産体制を破壊し、迎撃機不足の悪循環に陥ったのである。1945(昭和20)年の…
(2016年08月24日 03:55)
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出撃予定は、1945(昭和20)年8月21日だった。3カ月前の出撃は、直前に感染症で離脱。その時戦死した特攻隊員たちに申し訳なく「今度こそ」と誓っていた。だが…
(2016年08月23日 03:06)
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人間機雷「伏龍(ふくりゅう)」の一員として、広島・呉に戻り、訓練していた青木茂(6月に94歳で死去)は、顔のそばでマッチをつけたような熱風を感じ、爆発音を聞い…
(2016年08月20日 03:23)
千の証言
- 次代へ 「正義の戦争ない」痛感 宇宙では国籍超え団結 宇宙飛行士・毛利衛さん
- 戦後70年/13・最終回 次代への継承(その2止) 父の遺品、日米に橋渡し
- 戦後70年/13・最終回 次代への継承(その1) 先人の声、未来に生かす
- 戦場、生死は運命 毛呂山・神田進さん、中国戦線で敵兵と鉢合わせ /埼玉
- 2メートル先に敵兵、引き金に指掛け 中国に出征、神田進さん(91) /東京
- 壕に印鑑、生の証し 70年後の帰還 八幡東の野田さん、沖縄で戦死した兄 /福岡
- 14歳で陸軍2等兵 志願していないのに召集令状 宮崎の元教諭84歳、若者へ「自己判断できる人に」
- 「戦争はノーです」 名古屋市・渡辺君子さん(95) /愛知