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踏み跡にたたずんで

芥川賞作家、小野正嗣さんの小説「踏み跡にたたずんで」がスタート。月1回、原則として第4土曜日に掲載します。

  • 森からの光=小野正嗣 /大分

     まだヨーロッパにいた頃の話だ。当時、首都から列車で一時間ほどの地方都市に暮らしていた。小さな通りに面した建物の3階の2部屋を借りていた。 そこから大家夫妻の家…

    (2017年12月23日 15:48)

  • 歩道橋の子供たち=小野正嗣 /大分

     鈴なりである。  一瞬、目を疑った。 車で小さな町を通り抜けるところだった。遠くに道路を横断して宙に浮かんでいるものがあった。 歩道橋だ。 ふだん歩道橋という…

    (2017年11月25日 15:45)

  • 地下道の鹿=小野正嗣 /大分

     何か起こるときには地下道には必ず鹿が現われるのです。 そう手紙には書いてあった。 あなたが連載で鹿のことを書いているのを読み、きっとご興味をお持ちになるにちが…

    (2017年10月28日 16:11)

  • 猿染めの沼=小野正嗣 /大分

     僕の小説にはよく猿が出る。 うん、その自覚はある。 仏壇に向かって背中を小さく丸めて手を合わせている人がいる。そう思って電気をつけたら、お供え物の桃を盗みに来…

    (2017年09月23日 16:01)

  • 道の駅でお茶を=小野正嗣 /大分

     昼はだいぶ回っていた。そのせいか、道の駅の駐車場には車がほとんどなかった。 植木の陰に車を停めた。 助手席で眠っている土田くんは起きなかった。 土田輝彦くんは…

    (2017年08月26日 15:41)

  • 巨木のほほえみ=小野正嗣 /大分

     電話の音がした。かつてのダイヤル式の黒電話のベルの音がけたたましく鳴り響いた。 その土地の有名な祭りの代名詞であり主役そのものと言える複数の巨大な山車を保存・…

    (2017年07月29日 16:36)

  • じゃあ湖畔で=小野正嗣 /大分

     じゃあ湖畔で、と相手は静かに言った。 湖畔? それだけですか? わかりますかね? わかりますよ。 だいたい、どこの湖ですか? 相手の口元がほころぶのがたしかに…

    (2017年06月24日 17:04)

  • 春の鳥=小野正嗣 /大分

     いまだにここらで出会うことがあるんですなー。 田口さんは首に巻いたタオルで顔を覆う汗をぬぐうと、弁解でもするようにつけ加える。 たまーに、たまーにです。 たま…

    (2017年05月27日 15:20)

  • フェリーに乗る前に=小野正嗣 /大分

     久しぶりにフェリー乗り場の待合室にいた。フリーランスの編集者の小川さんと落ち合い、取材旅行に出かけるのだ。 かすかな違和感を覚えたのは、荷物をたくさん抱えた、…

    (2017年04月29日 16:36)

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