メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

踏み跡にたたずんで

芥川賞作家、小野正嗣さんの小説「踏み跡にたたずんで」がスタート。月1回、原則として第4土曜日に掲載します。

  • 飛行機に忘れ物=小野正嗣

     飛行機でそのことを知った。 僕は2歳の4女と一緒だった。 彼女を膝の上に乗せることになる。そのことをすっかり忘れていた。習慣で、機中で読もうとすでに本を選んで…

    (2018年04月05日 18:01)

  • 駅のホームの笑い声=小野正嗣 /大分

     駅のホームで列車を待っていると、笑い声が聞こえた。 初めて定規を手にした小さな子が、白い紙の上に直線をやみくもに引きまくったように、目の前には線路が何十本も走…

    (2018年03月24日 15:38)

  • 言葉の余白=小野正嗣 /大分

     空港から乗ったタクシーの運転手は、たぶんアフリカの国から来た人だった。 運転中に無線から聞こえてくる声と、それに答える彼の声は、僕のまったく知らない言語を交わ…

    (2018年02月24日 15:37)

  • 見つからない橋=小野正嗣 /大分

     川があるとは聞いていなかった。彼女はどうして教えてくれなかったのだろう。 彼は困惑していた。 これでは彼女に会えない。どこかに橋があるはずだと首を振って探す。…

    (2018年01月27日 16:02)

  • 森からの光=小野正嗣 /大分

     まだヨーロッパにいた頃の話だ。当時、首都から列車で一時間ほどの地方都市に暮らしていた。小さな通りに面した建物の3階の2部屋を借りていた。 そこから大家夫妻の家…

    (2017年12月23日 15:48)

  • 歩道橋の子供たち=小野正嗣 /大分

     鈴なりである。  一瞬、目を疑った。 車で小さな町を通り抜けるところだった。遠くに道路を横断して宙に浮かんでいるものがあった。 歩道橋だ。 ふだん歩道橋という…

    (2017年11月25日 15:45)

  • 地下道の鹿=小野正嗣 /大分

     何か起こるときには地下道には必ず鹿が現われるのです。 そう手紙には書いてあった。 あなたが連載で鹿のことを書いているのを読み、きっとご興味をお持ちになるにちが…

    (2017年10月28日 16:11)

  • 猿染めの沼=小野正嗣 /大分

     僕の小説にはよく猿が出る。 うん、その自覚はある。 仏壇に向かって背中を小さく丸めて手を合わせている人がいる。そう思って電気をつけたら、お供え物の桃を盗みに来…

    (2017年09月23日 16:01)

  • 道の駅でお茶を=小野正嗣 /大分

     昼はだいぶ回っていた。そのせいか、道の駅の駐車場には車がほとんどなかった。 植木の陰に車を停めた。 助手席で眠っている土田くんは起きなかった。 土田輝彦くんは…

    (2017年08月26日 15:41)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 希望と民進 新党名に「国民党」案 協議会で検討
  2. セクハラ疑惑 麻生財務相「はめられたとの意見ある」
  3. 訃報 衣笠祥雄さん71歳=元広島の「鉄人」、国民栄誉賞
  4. はしか感染 愛知で相次ぎ確認
  5. 仙台市 羽生選手パレードごみ12袋 ファンマナーに感謝

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです