クラシックナビ
-
東条碩夫「マエストロたちのあの日、あの時」
規格外の大物、藤原義江
2022/8/12 12:00 1920文字藤原義江――といえば、わが国オペラ界の大先達としても有名だ。太平洋戦争の時期を挟んで、国際的にも活動し、日本のオペラ界を牽引し、「われらのテナー」と呼ばれて人気を集め、かつ藤原歌劇団にその名を残す大歌手である。 彼が自ら主宰し、主役を歌う「藤原義江主演グランドオペラ」を立ち上げたのは、1934年6
-
びわ湖ホールから
劇場の創造活動の核へ 声楽アンサンブル、メンバー募集 /滋賀
2022/8/5 05:14 858文字全国から厳しいオーディションを経て選ばれた声楽家により構成される日本初の公共ホール専属声楽家集団「びわ湖ホール声楽アンサンブル」。「声楽アンサンブル」とは、ドイツ語圏の歌劇場においてオペラのソリストを担う劇場専属歌手を意味します。年間を通し、びわ湖ホールの創造活動の核としてオペラ公演に出演するほか
-
アンコール
待望の海外オーケストラ来日 ロト&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
2022/8/2 12:00 1829文字今年初の海外オーケストラの来日となったフランソワ=グザヴィエ・ロト指揮 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の東京公演を振り返る。取材したのは7月3日、東京オペラシティにおける演奏会でモーツァルトのピアノ協奏曲第20番(独奏=河村尚子)とブルックナーの交響曲第4番の初稿版というプログラム。(宮嶋極) 海
-
今月のイチ盤
活況を呈し始めた来日オーケストラ・指揮者の快演
2022/8/1 12:00 1195文字コロナ禍の行方は依然として不透明だが、人の流れが少しずつ正常化したことで、来日オーケストラ・指揮者が急速に動き始めた。新譜ディスクも豊作だ。<BEST1>ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」サイモン・ラトル(指揮)/ロンドン交響楽団LSOライブ(キングインターナシ
-
びわ湖ホールから
イタリア古典歌曲をお届け 桂冠指揮者・本山秀毅迎え 声楽アンサンブル定期公演 /滋賀
2022/7/28 05:19 714文字びわ湖ホール声楽アンサンブルは、多様な声楽曲に取り組む「定期公演」を年2回実施しています。75回目となる今回は桂冠指揮者の本山秀毅を迎え、後期ルネサンスからバロック時代の作品を中心にイタリア古典歌曲の名曲をお届けします。 声楽家を志す者が必ず学ぶ「イタリア古典歌曲」は、アレッサンドロ・パリゾッティ
-
-
アンコール
宮本亜門がワーグナーを初演出 二期会創立70周年記念「パルジファル」
2022/7/27 13:47 2789文字【二期会創立70周年記念公演 ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルジファル」】 二期会創立70周年記念としてフランス国立ラン歌劇場と共同制作されたワーグナーの舞台神聖祝典劇「パルジファル」(セバスティアン・ヴァイグレ指揮、宮本亜門演出)の日本プレミエ公演が7月13日から17日までの間、東京文化会館で4回
-
オーケストラのススメ
~65~ 音楽祭のオーケストラ
2022/7/27 12:00 1461文字山田治生 夏は世界中で音楽祭が開催されるが、音楽祭のオーケストラといえば、まず、サイトウ・キネン・オーケストラがあげられよう。1984年の「齋藤秀雄メモリアル・コンサート」のオーケストラをきっかけとして、小澤征爾を中心に編成され、1992年からはサイトウ・キネン・フェスティバル松本のホスト・オーケス
-
びわ湖ホールから
音楽家デビュー、飾りませんか リサイタル・オーディション 応募受け付け /滋賀
2022/7/22 05:26 653文字プロの音楽家を目指す皆さんへ。数々の一流アーティストが演奏してきたびわ湖ホール小ホールで、音楽家としてのデビューを飾りませんか。 「ザ・ファーストリサイタル」は、滋賀県ゆかりの演奏家の「初めてのリサイタル」を応援する事業です。オーディションで選ばれた将来有望な若手演奏家に、40分間のリサイタルを行
-
アンコール
人並み外れた資質~クラウス・マケラ、再び都響に客演
2022/7/21 12:00 2871文字世界的に注目を集めるフィンランド出身の若手指揮者クラウス・マケラが客演した東京都交響楽団の2つの演奏会を振り返る。公演を聴いた音楽評論家やジャーナリストの間からは早くも「今年一番、少なくとも上半期一番の演奏」などの絶賛の声が挙がっていたほどの出色の出来であった。(宮嶋 極)【クラウス・マケラ指揮
-
香原斗志「イタリア・オペラ名歌手カタログ」
<第27回> マリーナ・モンゾ(ソプラノ)
2022/7/20 12:00 1508文字耳に快楽を与える自然な響き若くして完成した近未来のスター・ソプラノ 2022年6月、東京文化会館とびわ湖ホールで開催された「プラシド・ドミンゴ&アンジェラ・ゲオルギュー プレミアムコンサート」に、事前の告知なくひとりのソプラノがゲスト出演し、スペインの舞台芸術であるサルスエラからソロを1曲、ドミンゴ
-
-
アンコール
動きと音楽のシンクロニシティ~新国立劇場「ペレアスとメリザンド」
2022/7/17 12:00 1379文字新国立劇場2021/2022シーズンの最後の演目として新制作のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」が上演された。演出はケイティ・ミッチェル。基本的には2016年のエクサンプロヴァンス音楽祭でのプロダクション(NHK・BSでも放送された)と同じものであるが、今回、東京で舞台上演された意義は大きい。
-
音のかなたへ
国際コンクール
2022/7/17 02:06 1265文字心の中のさまざまな思いが、音の波として打ち寄せてくる。音の波に心の中のさまざまなものが打ち寄せると言ったほうが分かりやすいのだろうか。音楽の演奏とは、その波打ち際で何かが生起することなのだろう。波が引いていったあとには、あるいは、傷ついた砂模様が残っているかもしれない。 第8回仙台国際音楽コンクー
-
先月のピカイチ 来月のイチオシ
世界中から熱視線のクラウス・マケラが都響で再演……22年6月
2022/7/15 15:46 5664文字「先月のピカイチ、来月のイチオシ」の連載、今回は6月に開催されたステージからピカイチと次点を、8月開催予定の公演からイチオシと次点を選者の皆さんに紹介していただきます。◆◆6月◆◆ 東条碩夫(音楽評論家)選〈東京都交響楽団 第397回プロムナードコンサート〉6月26日(日)サントリーホールクラウス・
-
びわ湖ホールから
ワーグナー10作品上演完結 沼尻指揮、関西で初の偉業 /滋賀
2022/7/15 05:07 760文字来年3月に上演するプロデュースオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の制作発表を行いました。びわ湖ホールでは、ついにこれをもって、ワーグナー作曲の主要な舞台作品(バイロイト祝祭劇場で上演される10作品)全てを上演することになります。また指揮を務めてきた芸術監督沼尻竜典は、一つの劇場で10作品
-
東条碩夫「マエストロたちのあの日、あの時」
完璧さの具現、巨匠ジョージ・セル
2022/7/14 15:00 1959文字知人に教えられ、6月下旬に刊行されたばかりの「ジョージ・セル」(マイケル・チャーリー著、伊藤氏貴訳、鳥影社刊)を取り寄せて読んだ。500ページ近くになる大書で、面白い。気になる最後の方、1970年5月のセル&クリーヴランド管の初訪日のくだりを先に読んでみたが、まあここは思ったほど詳細なことは書かれ
-
-
アンコール
高レベルの競演 第8回仙台国際音楽コンクール詳報
2022/7/12 12:00 3110文字〝協奏曲コンクール〟として知られる仙台国際音楽コンクールが5月21日から6月26日まで行われ、杜の都で3年ぶりに若い音楽家たちがその技や音楽性を競い合った。コロナ禍においてアジアで初のコンクール再開となった今回、参加申し込み者数はヴァイオリン部門で135人、ピアノ部門で438人を記録。広上淳一(ヴ
-
びわ湖ホールから
おうちでオペラ鑑賞を 17、18日 「ファルスタッフ」配信 /滋賀
2022/7/8 05:14 711文字コロナ以降、あっという間に世の中を席巻したオンライン配信。スマートフォンやパソコンの性能が上がり、インターネットの環境が整備された現在、日本国内だけでなく、海外の公演も好きな場所で気軽に楽しむことができるようになりました。毎日多くの公演が配信されています。部屋に一人でじっくり見る人、家族と一緒に話
-
アンコール
5月のリサイタル・室内楽から~アリス=紗良・オット&リフシッツ
2022/7/7 12:00 2613文字5月末から6月初旬に開催された室内楽公演やリサイタルの中から、アリス=紗良・オットのピアノ・リサイタル(5月30日、サントリーホール)とコンスタンチン・リフシッツによる「バッハ&ショスタコーヴィチ プロジェクトⅡ ショスタコーヴィチ室内楽・ソロ」(6月2日、トッパンホール)の2公演をリポー
-
今月のイチ盤
深化するノット&東響のコンビネーション
2022/7/4 12:00 1299文字コロナ禍の困難な時を経て、クラシック音楽界にも変化の波が確実に押し寄せている。新譜CDでも、その流れは顕著だ。<BEST1>ノット&東響 マーラー:交響曲第1番「巨人」ジョナサン・ノット(指揮)/東京交響楽団エクストン OVCL-00758<BEST2>江崎浩司 ヤコブ・ファン・エイク:笛の楽園
-
びわ湖ホールから
声楽家のレッスン公開 歌手の変貌 遂げる様子必見 /滋賀
2022/7/1 05:05 689文字今年で開催3回目を迎える「イタリア声楽曲研修」。この研修は、びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーが第一線で活躍する演奏家から直接指導を受ける様子を一般に公開するものです。音楽のことをもっと知りたいという方のために、通常は見ることができない、歌手たちが音楽を練り上げていく段階をご覧いただけます。
-