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ジークリンデ(左)とジークムント=写真家、林喜代種撮影

 料理と音楽は受け取るときの感覚が似ているとある作曲家から聞いた。確かに、甘い音、やわらかな肌触り、なめらかな味わい等々、体感するときの形容は限りなく近いかもしれない。直感的にその世界へ入ってゆくところも共通している。

 悲しい音楽は多いが、料理に悲しい味はあるだろうか? もしあるとすれば、それは大抵、味にまつわる思い出が残してゆくものだろう。しかし、想像するだに悲しい味もある。

 ワーグナー《ニーベルングの指環(ゆびわ)》第1夜《ワルキューレ》が飯守泰次郎の指揮によって新国立劇…

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