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1983年にスタートし、今年で34回目となる「サントリー1万人の第九」は、文字通り全国から1万人が集まり、大阪城ホールで第九を歌うイベント。今年も12月4日に、佐渡裕指揮「歓喜の歌」を共に歌い上げます。「音楽以上の音楽がある」と佐渡さんが評する「1万人の第九」、その歴史や参加者の思い、コンサート当日の舞台裏などを“同時進行”で紹介していきます。
【13】第九の歌詞を体感できる唯一無二のイベント 佐渡裕さんインタビュー(前編)
2016/12/27 17:00(最終更新 12/28 18:10)
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1983年にスタートし、今年で34回目を迎えたサントリー1万人の第九。山本直純さんの後を継ぎ、佐渡裕さん(55)が指揮を初めて振ったのは1999年だ。この17年間で1万人の第九はどのように変化したか、本番前日のリハーサル前に、佐渡さんに聞いた。【聞き手・西田佐保子】
オケの構成を変えて新しい風を吹き込む
1万人の第九を初めて指揮したのが38歳のときで、今年で18回目になります。当時からさまざまな変化がありました。まず、オーケストラの構成が変わりました。初年度は、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団の合同オケでしたが、2002年には、アマチュアの合唱団だからユースオーケストラでやりたいと提案して、関西音楽大学協会に所属する8大学の学生オーケストラによる「1万人の第九ユースオーケストラ」を結成しました。
これは大きな変革でしたよ。当時、1万人で演奏会を行うという大イベントとして盛り上がっていたけれど、ある意味どこか「違って」いた。テコ入れするためには、まずオケによる演奏を変えたかった。もちろん、ユースオケですから、技術的に優れているわけではありません。今から振り返ると、よくあんなことやったなと思うわけですよ(笑い)。でもそのことによって、1万人の第九というイベントにおける音楽的な要素が急激に高ま…
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