メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

新・コンサートを読む

パスキエとぺヌティエのデュオ 社会の痛みを呼び戻す=梅津時比古

 「青春」という言葉は、いくばくかの恥ずかしさを含んでいる。青春と言われる時期のただ中にいる者には自分が見えないことを、私たちが知っているからだろうか。といって、昔を回顧する青春談ほど白けるものもない。まるでそのような居心地の悪さを、フランスのレジス・パスキエ(バイオリン)とジャン・クロード・ぺヌティエのデュオ・リサイタルの開始直後に感じた(5月11日、トッパンホール)。曲はほとんど弾かれないシュヴィヤールのバイオリンソナタ(1892年)。パスキエは弓を弦に軽く当てて共鳴を多くさせるヨーロッパ伝統の奏法を保持していて、バイオリンから懐かしい響きが聞こえる。活気に満ちた曲想を、楽しくて仕方ない風情で弾いているのだが、どことなく自慢げな陶酔だ。ぺヌティエの質実なピアノとも違和がある。

 それらの要素が、2曲目のドビュッシーのバイオリンソナタ(1917年)からしっくりとかみ合い始めた。…

この記事は有料記事です。

残り827文字(全文1221文字)

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 福岡 大濠公園の池、元福岡銀頭取死亡 事故と事件で捜査
  2. 元徴用工訴訟 河野外相「原告は徴用された方ではない」
  3. 論プラス 元徴用工めぐる判決 日韓に刺さったとげ=論説委員・大貫智子
  4. 徴用工判決 韓国紙、評価割れ「正義」「韓日関係に台風」
  5. 日大アメフット 解雇無効求め内田前監督が大学提訴

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです