(PHPサイエンス・ワールド新書・840円)
カラオケや犬の声を理解するバウリンガルの受賞で、イグ・ノーベル賞は日本に知られるようになった。「笑わせ、考えさせる」この賞のすべてを明らかにしようという本だ。由来、四〇もある賞の種類、選考過程を示し、一二〇〇人も集まるユーモア溢(あふ)れる授賞式を描く。また、アンリ・ベルグソンの『笑い』から始めて、賞に見る「パロディ性」と「科学性」を大真面目(おおまじめ)に分析する。
これまで日本人の受賞者は一三人で、ノーベル賞(自然科学)の受賞者数と同じだ。全受賞者一八〇人に対する比率は高い。「ピカソとモネを識別するハト」「バニラの芳香成分を牛糞(ぎゅうふん)から抽出」などがあり、これからも「トイレ文化」「回転すし」「定刻自動起床装置」などが有望で、その話が面白い。(規)
毎日新聞 2009年11月1日 東京朝刊