(青土社・2520円)
判型は規格外の変形サイズばかり。表紙にフランス語だけを並べた本もあれば、約1センチの細い帯を、しかも斜めに付けた本まである。一冊といえども同じような本はない。
戦後まもない時期に、出版社「書肆ユリイカ」の伊達(だて)得夫はそんなこだわりの詩集を約250冊も世に出した。工芸品のように隅々までこだわった伊達の造本表現にひかれた著者が図書館を巡り古書を収集して、地道に調べた結果をまとめた。
奥付は同一なのに外装が数種類あることを知って何冊も買ってしまうなど、著者は古書買いの深みにはまっていく。書誌学の観点から出版物を分析した本書は、内容には一切触れていないが、門外漢でもその情熱に引き込まれてしまう。本の楽しみ方はなんと幅広いことか。(材)
毎日新聞 2009年11月1日 東京朝刊