(NHK出版・1260円)
今回の金融危機がなぜ起きたのか、これをウォール・ストリートの投資銀行の経営者、米国の金融財政政策の担当者、日本、米国の年金基金等の機関投資家とヘッジファンド、金融商品を作り出した金融工学の専門家の証言によって再構成したNHK取材班の分析。2009年4~7月の放映時にも見たが、確かによくできている。
住宅ローンの証券化が1970年代末にはじまり、どう変容していったか。米国における年金基金が1980年代以来、どう変わったか。リスクを「沈殿」させる証券化の技術が「水の浄化システム」のモデルをどう応用したか。読んでみて、あらためて、なるほど、と思ったことも少なくない。最近読んだ金融危機の本としては出色。(隆)
毎日新聞 2009年11月1日 東京朝刊