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岡崎宏司のくるま読破術

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BMW 5シリーズ グランツーリスモ

 ◇BMWのバッジが誇らしい オールマイティーな一台

 「5シリーズ・GT」は、いわゆる“クロスオーバー”と呼ばれるカテゴリーに分類される。今までのBMWのラインアップになかったタイプの新しいクルマである。

 つまり、セダン、ステーションワゴン、クーペ、SUVを「足して割った」、あるいはそれらの「いいとこ取りをした」クルマといったことになるが、逆に「キャラクターのわかりにくい」クルマといった受け取り方もできる。

 5シリーズ・GTはかなり大柄だが、ベースが7シリーズだといえば納得できるだろう。ホイールベースも7シリーズと同じ3070ミリ。つまり、5シリーズを名乗りながら、シャシーは基本的に7シリーズと共用なのである。

 そんなシャシーの上に載せられたキャビンは大きい。

 ルーフはクーペ的なラインを描くが、ホイールベースの長さと全高の高さによって、後席スペースの確保も万全だ。

 主力市場は北米ということだが、アメリカ人サイズでも大人4人が快適に過ごせる。

 荷室は最大1700リットルものスペースが確保できるアレンジになっているが、同時にキャビンとの隔離も巧みに行われており、後席でもほぼセダン同等の居住感が得られる。

 シートの高さは乗用車とSUVの中間くらいで、無理のない姿勢で乗り降りできることも長所のひとつ。インテリアの仕上げも非常に上質だ。

 試乗したのは535i。

 3リットル・直噴ターボの直列6気筒で、8速ATが組み合わされる。重量が2トンを超えるので、トップエンドのパワーの伸び切り感といった点では少し物足りなさを感じるケースもあるが、常識的な範囲では、低回転域から太いトルクを発揮するエンジンと8速ATのコンビネーションは、文句なく気持ちのいい走りを味わわせてくれる。

 まあ、4.4リットル・直噴ターボのV8を積んだ550iもあるので、どうしても「モアパワー」という人は、そちらを選べばいいということだ。

 背の高い大柄なクルマといえども、BMWのバッジを付ける以上は気持ちのいい身のこなしが求められるが、そんな条件もクリアしている。

 また、インテグラル・アクティブステアリングの採用によって、低速での俊敏さと、高速での安定性が高いレベルで両立されているが、7シリーズと同じホイールベースをもつ大柄なクルマながら、最小回転半径が5.5メートルというのも大きな魅力だ。静粛性も高く、乗り心地もいい。

 文字通りオールマイティーなBMWの誕生である。

2010年3月17日

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