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佐藤二朗:「大洗にも星はふるなり」ちょい悪オヤジ役に 「テンションが命の作品」

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男ばかりの撮影現場。カメラが回っていないところでは「8割がた下ネタばかり。修学旅行や野郎ばかりの部活みたいな感じでした」という佐藤二朗さん
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 クリスマスイヴの夜、茨城県大洗海岸に建つ海の家で繰り広げられる1人の女性をめぐる男たちの争奪戦。果たして女性の心を射止めるのは誰なのか? 山田孝之さん、山本裕典さん、ムロツヨシさん、小柳友さん、白石隼也さん、安田顕さん、そして佐藤二朗さんといった演技派7人が、独特の笑いを提供する「大洗にも星はふるなり」が、7日からシネセゾン渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開される。7人中一番の年長者で“ちょい悪オヤジ”のマスターを演じた佐藤さんに話を聞いた。【りんたいこ/フリーライター】

 --台本を読んだときの印象は。

 監督の福田雄一とは、以前にも舞台やドラマ「33分探偵」、「THE3名様」でも一緒にやったことがあったので、彼が書く台本の面白さはよく分かっていました。今回も、台本を読んでいる段階で、腹を抱えて笑ったので、喜んでやらせてもらいました。

 --初めての“ちょい悪オヤジ”の役です。佐藤さんにとってのちょい悪オヤジのイメージは?

 ちょい悪オヤジといっても、僕が演じるマスターの場合は“自称”ですからね(笑い)。僕にとって、ちょい悪オヤジのイメージを芸能人でいうと、藤竜也さんとか……藤原竜也くんじゃないですよ(笑い)。あとは根津甚八さん。火野正平さんもそんな感じかな。ちょい悪オヤジにはあこがれますよ。自分は根がまじめなんで。ふっ、ふっ、ふっ、ふっ……。

 --マスター以外の登場人物もユニークでした。演じる役者さんで普段とは違う一面を見せていた人は?

 多分みんなそうですけど、(山田)孝之なんかそうでしょうね。(小柳)友くんが演じる仁科も“ハイテンション・バカ”というフレーズなんですけど、「あいしてるぜ~」みたいな、NHKの朝の連ドラ(「つばさ」)では多分出さないような高音の声を出してますし、みんなそれぞれ、他の作品では見せない面が出ていると思いますよ。

 --アドリブを結構入れたそうですが、周りの俳優さんたちが吹き出したりしたことは?

 アドリブとはいえテストの段階からやってますから、そういうことはなかったですね。それに今回は、ワンシチュエーションの舞台のようにカメラを長回ししたんです。そうすると、誰かの長ゼリフのあとに他の人がかんで失敗すると、そこからまたやり直しになる。だから役者同士緊張感があって、素で吹いちゃうことはなかったですね。

 --長回しだったんですか。映画はカット割が多かったので、役者さんはテンションを保つのが大変だろうなと思っていました。

 厳密にいうと長回しじゃないんですけど、何台かあるカメラを同時に回して、芝居は一連でやっているんです。福田監督も、芝居のテンションが命の作品だとよく分かっていたので、そういう方法を取ったようです。

 --夏の映画なのに真冬の撮影でした。

 地獄でした。僕がいままでやった作品のなかで、体力的にいちばんきつかった。回想シーンで、雨が降って水浸しになる場面があるんですが、(撮影は)真冬の1月に大洗の海岸ですよ。にもかかわらず、衣装は半袖に半ズボンですからね。福田雄一が、僕だけ歯がガタガタ震えてたっていうんですが、そりゃあ震えるっちゅうの(笑い)。

 --男ばかりの撮影現場に、女性はマドンナ役の戸田恵梨香さん1人。戸田さんが現場に入っていらしたときの、みなさんの様子は?

 全然変わりましたし、何より福田雄一が変わりました。彼なんか、恵梨香ちゃんが来たとき、「いや~二朗さん、ホンモノだよ。ホンモノの戸田恵梨香がいるよ」と言ってましたからね。あんたがキャスティングしたんだろと(笑い)。そりゃあホンモノですよね、ニセモノが来たら大変ですよ。

 --戸田さんはどんなご様子でした?

 男性陣がみな、空気が読める人たちばかりだったので、恵梨香ちゃんが緊張しないように迎え入れようとたぶんしていたと思うし、恵梨香ちゃん自身もすごく空気が読める人なので、例えば、1人でぽつんと現場にいたら、周囲は尋常じゃないくらい気を遣っちゃうじゃないですか。でも恵梨香ちゃんはそういうことは一切なく、誰とでもニコニコニコニコ話をして。無理やり溶け込もうという感じでもなく、自然に溶け込んでいた。それはもう見事でしたよ。

 --作品のどんなところに注目してもらいたいですか?

 本当に、非常にバカバカしいお話で、そのバカバカしいことを、どの俳優も真剣にやっているので、そのおかしさを見てもらいたいですね。それから、男性、女性、両方に見ていただきたいですけど、女性が見て、男ってバカだけど可愛いね、みたいに感じていただけるといいですね。

 --最後に、初めて夢中になったポップカルチャーを教えてください。

 初めてかどうか覚えていませんが、野球盤。子供のころ、兄貴とやって、よくケンカになっていました。あとは、楳図かずおさんのマンガ。「おろち」とか「恐怖」とか「怪」とか「洗礼」とかね。あの辺は小学生のとき読みました。僕、いまはコンタクトレンズなんですけど、中学校に上がるときに近眼になって、ずっとメガネでした。僕が近眼になったのは、完全に楳図さんのせいですね(笑い)。暗いところで読んでいたんでしょうね。そのお陰で目が悪くなっちゃった。

 <佐藤二朗さんのプロフィル>

 1969年、愛知県出身。96年、「劇団ちからわざ」を旗揚げして以来、劇団のすべての公演で制作、出演。最近はドラマや映画でも活躍し、映画「memo」(08年)では監督、脚本を務めた。主な出演作に映画「幼獣マメシバ」(09年)、「20世紀少年 第2章 最後の希望」(09年)、「ごくせんTHE MOVIE」(09年)、ドラマ「医龍2」(07年)、「ブスの瞳に恋してる」(06年)など。

 2009年11月6日

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