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第19回 alan 中国・美人谷の歌姫が日本デビュー「世界平和を願って…」

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野島伸司さんが作詞したシングル「明日への讃歌」でデビューしたalanさん
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 「美人谷」と呼ばれる中国・四川省の秘境からやって来た歌姫alan(アラン)さん(20)が21日、シングル「明日への讃歌」で日本デビューを果たした。中国の民族楽器「二胡」とチベット民謡歌手の母から受け継いだ美しい声で、「世界の平和のために歌いたい」と語るアランさんに、歌への思いを聞いた。【西村綾乃】

 幼いころから音楽に囲まれて育ったアランさんは、、8歳で二胡を始め、専門的な技術を学ぶため、国立四川音楽附属中学へ進学。16歳の時に歌手を志し、中国の女性音楽グループ「女子十二楽坊」らを輩出した中国最高峰の芸術大学「解放軍中国芸術学院声楽科」に入学し「阿蘭」としてインディーズ活動を展開した。

 「歌は生まれたときから身近にあり、いつも歌っていました。二胡は、その神秘的な音に引かれ、母の友人に教わりました。人間の声に最も近い楽器で、その音色は悲しみ、喜びなど人の感情を表しています」。

 アランさんに転機が訪れたのは、06年春。浜崎あゆみさんらが所属する音楽レーベル「エイベックス」が、中国法人設立に向けた新人発掘オーディションで、軍服姿で二胡を弾きながら、得意の歌を披露し、松浦勝人社長ら審査員の目をくぎ付けにした。

 「オーディションでは、あこがれていた安室奈美恵さんの『NEVER END』と、私の声質に合っていると勧められた夏川りみさんの『涙そうそう』を歌いました。初めて日本語で歌うので、発音などで戸惑いもありましたが、夏川さんの曲では自分らしさを見せようと、自分でアレンジした二胡の演奏を取り入れて披露しました。軍服は学校の制服だったんですよ」と振り返る。

 日本デビューの知らせは電話だった。「いままでにない喜び、驚き、いろいろな気持ちが吹き出してきた」と笑顔で振り返る。「最初に報告したのは両親。初めは『音楽では生活が安定しない。大学卒業後は、軍の施設に就職した方がいい』と反対されたんですが、いまでは、私が日本語の勉強をしたり、歌のレッスンで忙しくしていることを喜んでくれている。一番の理解者」と語る。

 デビュー曲「明日への讃歌」は、桜井幸子さん主演のドラマ「高校教師」(93年)などの脚本家・野島伸司さんが、SMAPの「らいおんハート」以来、7年ぶりに詞を書き下ろした。

 「野島さんとは7月のレコーディングで初めてお会いしました。スタジオでは、歌詞に込めた言葉の意味を教えてくれました。サビ部分の『♪うたえ~』『♪さけべ~』という部分を大切に、聴き手に呼びかけ、語りかけるようにとアドバイスをいただきました」。

 サビ部分では、チベット民謡独特の、高音フェイク(低音から超高音に駆け上がる歌い方)を駆使した天性の伸びやかな歌声で聴き手を圧倒する。

 「歌い方は、特別習ったわけではなく生まれつき。母が、チベット民謡歌手なので、聴いているうちに自然に身に付いた」という。

 大陸を感じさせる穏やか曲は、浜崎あゆみさんや倖田來未さんらに楽曲提供する菊池一仁さんが「歌の中にある心の叫び」をテーマに作曲。曲を聴いたアランさんは「ホームシックになった」と話す。

 「日本的な部分もあり、チベット民謡の香りもする不思議な曲。初めて聴いたときは、ふるさとを思い出しました。レコーディングは、集中できるよう、ライトを消し暗い部屋の中で歌いました。想像したのは、貧困地域で暮らす子供たちの顔」と力を込める。

 アランさんが育った四川省丹巴県、通称「美人谷」は、5000メートル級の山に囲まれた海抜約1900メートルの高所にある。「私は幸いに、学校に通うことが出来ましたが、周りには、学校に行けない子供も多くいました」という。

 「8月に、子供たちと直接触れる機会がありました。車で移動したのですが、車を初めて見た子供も多くて、何でも手に入れることが出来る今の私たちの生活からすると、大きな差がありました。彼らのため、学校を建てることも夢の一つです」と語る。

 現在、日本語を猛勉強中のアランさん。自分の言葉で思いを伝えようと、ノートに言葉を書き留めたりと意欲的だ。

 「日本語で好きな言葉は『とりあえず』と『まぁまぁ』。響きが人の名前みたいでかわいいから」とはにかんだ。デビュー後は「ライブや制作活動を積極的に展開したい」と話す。「活動の根本にあるものは『世界の平和』。私の歌が日本と中国はもちろん、アジア諸国との架け橋になれば幸せ」と夢は大陸へと大きく広がっている。

<alan プロフィル>

 アラン・87年7月25日、チベット生まれ。9歳で中国中央テレビのドラマ「太陽女神」の準主役に選ばれた。その後数多くのコンテストで脚光を浴び、06年春に開かれた、エイベックスのオーディションで日本デビューが決定した。

alan公式サイト
http://alan-web.jp/

 2007年11月22日

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