都市対抗野球大会第4日の24日、札幌市・JR北海道は第2試合の2回戦で、仙台市・七十七銀行に2-3でサヨナラ負けし、3年連続の初戦突破はできなかった。JR北海道は一回に須藤琢也選手の中犠飛で先制。六回は三家正裕選手の右前適時打で勝ち越し点を奪うなど押し気味に試合を進めたが、チャンスであと1本が出ず、粘りの投球を続けた先発の福山雄投手が九回に力尽きた。【三沢邦彦、橘建吾】
▽2回戦
JR北海道(札幌市)
100001000=2
010000101=3
七十七銀行(仙台市)
まさかのサヨナラ負けに、約4000人が駆けつけたJR北海道の三塁側スタンドは一瞬、声を失った。
試合は一回1死から3連打で好機を広げ、5番・須藤琢也選手の中犠飛で先制する上々の立ち上がり。二回に先発の福山雄投手が3安打を集められ同点に追いつかれたものの、JR北海道24人のチアリーダーをまとめた河村みのりさん(36)は「応援でも試合でも、絶対に負けません」。約7000人が陣取る七十七銀行の一塁側スタンドにも負けず、笑顔で三塁側のJR応援席を盛り立てていた。
二回以降も、五回まで毎回安打しながらホームベースが遠かったJR北海道打線。六回に2死一、三塁から2番・三家正裕選手の右前適時打で待望の勝ち越し点を奪ったが、七回に再び同点とされ、スタンドは重苦しい雰囲気に包まれた。
12安打を放ったJR北海道に対し、七十七銀行は9安打。要所を抑えマウンドで粘投する福山投手にも懸命の声援が送られたが、九回2死二塁から内野安打を打たれて無念のサヨナラ負け。4年連続で応援団長を務めた福場宏克さん(31)も、信じられない幕切れに一瞬、ぼう然としたが「スタンドと選手が一体となって試合に臨んだ。結果は残念ですが、また来年。このドームに帰ってきます」と話していた。
初回に先制し勝ち越し点も奪えたが、ここぞという好機であと1本が出なかった。1点を取った後の次の1点が出ない。押しが弱かった。
練習から実戦に近い形で打撃練習を重ね、安打は出るようになってきたのだが……。今後は好機で1本打てるかが課題。
○…JR北海道で2人目の女性駅長となった林雅子・琴似駅長(40)が、始球式に登板した、木葉健二撮影。制服姿でグラウンドに立った林さん。「緊張しました」と言いながら、投球はベース手前でワンバウンドして捕手のミットに無事収まり、ホッとした表情。琴似駅には中村宗太投手、小手森翔選手も勤務しており、「いい球を投げて、いい初戦になるように思いを込めました」。
○…ベンチ前で試合を見守ったマスコットの村中梨乃さん(27)は、チームが東京ドーム初勝利を挙げた07年から3年連続出場。道2次予選を含め3年間の16試合でマスコットを務めた試合では、勝率8割1分3厘(13勝3敗)を誇った“勝利の女神”だったが、まさかのサヨナラ負け。「選手はものすごい緊張感の中、懸命に戦っていた。また、東京ドームを目指してほしい」と話していた。
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■北の獅子たち
九回2死二塁。得意のスライダーを合わせられた打球は二塁への内野安打となり、サヨナラ負け。だが、それよりも悔いが残るシーンがあるという。七回2死から死球で走者を許し、その後の連打で同点となる2点目を許した場面。「士気をそいでしまう失点だった」と肩を落とした。
昨季、休部した三菱ふそう川崎から移籍。前チームでは目立った活躍ができず都市対抗のマウンドは今回が初めて。しかし、右打者へのシュート、外角のスライダーを決め10奪三振。「福山はよく投げた」と高岡監督が評するように、持ち味を十分に発揮した。
JR北海道打線は相手を上回る12安打を放ちながら、あと1本が出なかった。投手にとって苦しい展開だが、「勝って、次の試合で若い投手に登板の機会を作ってあげたかった」という。JR投手陣の中で25歳は最年長。若手投手は今回登板することはなかったが、マウンドで粘り強く投げる先輩の姿から、きっと多くのことを学んだはずだ。【三沢邦彦】
毎日新聞 2009年8月25日 地方版