世界ボクシング評議会(WBC)と世界ボクシング協会(WBA)のフライ級ダブルタイトルマッチ各12回戦が30日、東京・代々木第1体育館で行われた。WBC王者、内藤大助(33)=宮田=はWBC13位、清水智信(27)=金子=を十回57秒KOで降し、3度目の防衛に成功。33歳11カ月での世界王座防衛で、自身の持つ国内最年長記録(33歳6カ月)を更新した。内藤は初のKO防衛。清水は昨年4月以来2度目の世界挑戦失敗。WBA王者、坂田健史(28)=協栄=は、世界初挑戦のWBA3位、久高寛之(23)=仲里・ATSUMI=に判定で勝ち、4度目の防衛を果たした。
すさまじい破壊力、見事な逆転KO劇だった。十回に内藤が放った左フック一発。ぐらついた相手を右フックで倒すと、さらに連打で沈めてテンカウントを聞かせた。
九回まで3審判とも1~3点差の劣勢で敗色濃厚だった。足を使う日本王者・清水を追うが、左ジャブを突かずに強引に前に出るため、カウンターの左フックを合わせられる。八回終了時の公開採点を聞いて「負けていてびびった」という。だが、KOは狙わなかった。「まだ4回ある。一つ一つ返していこう」。十回、清水の左ジャブに合わせて放った左フックは力みが抜け、スムーズに相手のあごを打ち抜いた。
「『内藤有利』と言われて、守りに入ってしまった。ボクシングセンスねえな」と苦笑いした内藤。左ジャブの少なさ、ガードの低さなどの課題を露呈した格好だ。だが、坂道ダッシュなど、走り込み中心のトレーニングで鍛えたスタミナと運動能力は、来月に34歳になる年齢を感じさせない。底力も改めて見せつけた。
試合直後、WBAフライ級1位の亀田興毅がリングに上がり、「おめでとう。試合やろうな」と握手してくる一幕もあった。内藤は控室で「『やろうなじゃなく、やってくださいだろ』と言い返したら、ちゃんと言い直したよ」と笑う。
世界王者になって1年。人気に加え、威厳と風格も備わってきた。【来住哲司】
==============
■人物略歴
74年8月30日、北海道豊浦町生まれ。96年プロデビュー。02年4月、WBCフライ級王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に挑戦し、一回34秒KO負け。昨年7月、ポンサクレックを判定で降して王座に。今年3月、2度目の防衛戦でポンサクレックと引き分け、国内最年長で世界王座防衛。右ボクサーファイター。戦績38戦33勝(21KO)2敗3分け。
80年1月29日生まれ、広島県府中町出身。広島・山陽高卒後、98年プロデビュー。04年6月と05年9月にWBA同級王者のロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に、06年12月に同級暫定王座決定戦でロベルト・バスケス(パナマ)にいずれも判定負け。昨年3月、パーラに三回TKO勝ちして王座獲得。戦績39戦33勝(15KO)4敗2分け。右ボクサーファイター。
==============
▽世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦
内藤大助 KO 清水智信
(宮田) 十回57秒 (金子)
50.8キロ 50.7キロ
(内藤は3度目の防衛)
==============
▽世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ12回戦
坂田健史 判定 久高寛之
(協栄) (仲里・ATSUMI)
50.8キロ 50.8キロ
(坂田は4度目の防衛)
2008年7月30日