福島第1原発:汚染水海洋漏れ、地元漁民ら怒り

毎日新聞 2013年07月22日 21時56分(最終更新 07月23日 04時55分)

 「やっぱりか」「なぜ今日なのか」。東京電力福島第1原発の敷地内で出た放射性汚染水について、22日、懸念されていた海洋漏れが「あった」と認めた東電に対し、原発事故の影響で漁自粛が続く福島県の地元漁協は怒りをあらわにした。計り知れない風評被害の拡大へ不信感や危機感をのぞかせた。【中尾卓英、神保圭作、高橋秀郎】

 福島県いわき市沿岸では今年9月から、シラスなどの試験操業が原発事故後で初めて開始される予定で、この日は地元で漁協組合長らが専門家を交えて協議していた。その後飛び込んだ最悪のニュースだった。県内のある漁協関係者は「海に流れているのではないかということはうすうす感じていた」と話し、別の漁業関係者は「選挙が終わった日になぜ」と話していた。

 東電の新妻常正常務らは22日午後3時半、汚染水が海へ漏えいしている事実を説明するため、いわき市の県漁連を訪問。頭をさげる常務らに、対応した県漁連の野崎哲会長や、いわき市漁協、相馬双葉漁協の組合長は硬い表情で「風評被害につながる。ショックは大きい。とにかく早く漏えい対策を取ってほしい」と迫ったという。

 県漁連と東電は、たまり続ける汚染水対策の一環として地下水をくみ上げ海に放出する「地下水バイパス」の稼働を巡り、議論を続けている。県漁連の幹部は「(今回の汚染水漏れの)影響は大きい。組合員へも説明を続けているが、反発は避けられない」と話す。

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