福島第1原発:汚染水流出 福島、隣県漁業者の怒りと苦悩

毎日新聞 2013年08月13日 19時51分(最終更新 08月14日 15時26分)

水揚げを終え、次の操業への準備に取り組む白井邦夫さん(右)=宮城県亘理町の荒浜漁港で2013年8月9日、豊田英夫撮影
水揚げを終え、次の操業への準備に取り組む白井邦夫さん(右)=宮城県亘理町の荒浜漁港で2013年8月9日、豊田英夫撮影

 東京電力福島第1原発でくみ上げが始まった放射性汚染水の問題が、福島県や隣県の漁業者をさいなむ。東日本大震災と原発事故から2年5カ月余り。ずっと操業再開に傾注してきただけに、今ごろになって東電が海への流出を認めたことに「風評被害が助長される」「努力が水の泡。痛恨の極みだ」と激しい怒りが噴き出す。いつになれば心置きなく出漁できるのか−−。

 沿岸漁業の自粛が続く福島県。2012年6月に試験操業を始めた相馬双葉漁協(相馬市)は9日、9月に予定していた試験操業を延期する方針を固めた。組合員から「風評被害に拍車がかかる」などの意見が相次いだ。約1年かけて対象魚種を計16種類に広げ、出荷にこぎつけた。佐藤弘行組合長(57)は「努力を続けてきた漁業者にとって痛恨の極み」と悔しさをにじませる。

 同じ9月に初の試験操業を始めるはずだった、いわき市漁協も延期方針を決めた。組合員の吉田康男さん(46)は、汚染前の地下水をくみ上げて海に流す汚染水対策を検討中の国に注文がある。「努力が水の泡。国の責任で流すなら、風評被害対策も国の責任で取り組むべきだ」と強調した。

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