リオ+20:ボコバ・ユネスコ事務局長寄稿 連帯感合言葉に期待
毎日新聞 2012年05月06日 東京朝刊
日本で東日本大震災以降盛んに語られる「絆」は、震災直後にユネスコが世界と被災地の子供たちをメッセージで結ぶキャンペーンにも使った標語です。よりよい未来の土台を築くために必要な、持続的な開発が可能な価値観の核を成す言葉でもあります。
6月にブラジル・リオデジャネイロで開かれる国連持続可能な開発会議(リオプラス20)でも、連帯感が合言葉であるべきです。私たちが依存してきた自然や周囲の環境が奪われたら、習慣や開発への考え方、今後の方向性を見直さなければならないからです。
未来の地球環境で暮らす人類の尊厳を保つために必要な知識や技能、価値観を取得することが「持続可能な開発のための教育(ESD)」の目的です。02年に南アフリカ・ヨハネスブルクで開催された地球サミットで、日本が提唱した「ESDの10年」は、ユネスコを国連の推進機関にして05年に始まりました。
私は、リオプラス20のスローガン「私たちが望む未来」は、教育あっての構築だと自負しています。グリーン社会の形成に関わる若い世代と教師たちの感受性を育む教育、つまりESD具現化の機が熟したと言えるでしょう。
今年2月、私は仙台市の中野小学校の屋上で、眼下に広がる荒野を前にぼうぜんと立ち尽くしました。大津波で校舎は壊滅的な被害を受けましたが、登校していた児童や教師は全員無事でした。1秒が生死を分かつ災害発生時の学校側の安全対策と子供たちの的確な行動によるものです。
ユネスコはこうした好事例を世界で共有し、政策関係者への助言や教育計画、カリキュラム、教師へのサポートや教材開発を通じてESDの導入に力を注いできました。教育に変革をもたらすイニシアチブの主導権を握るのは若者と教師の連帯感、草の根の取り組みです。リオプラス20は、ESDの真価を確認する場になると期待しています。(寄稿)
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