将棋:森内勝ち2勝目 名人戦第3局
毎日新聞 2012年05月09日 22時02分(最終更新 05月10日 00時41分)
福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズで、8日から行われた、第70期名人戦七番勝負第3局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、第70期将棋名人戦いわき市実行委員会協力)は、9日午後9時46分、157手で森内俊之名人(41)が挑戦者の羽生善治王位(41)に勝ち、2期連続通算7期目の名人獲得へ向け2勝1敗とリードした。残り時間は両者1分。第4局は22、23日、静岡市葵区の浮月楼で行われる。
東日本大震災からの復興を願う第3局。森内の指し回しは攻守でさえた。終盤、羽生の粘りにあって長引いたものの、貴重な2勝目を挙げた。
矢倉模様から羽生が工夫を見せ、森内陣に猛攻をかける作戦を取った。封じ手直前の8八歩(46手目)は陣形を乱す一手。森内は封じ手で同金と取り、駒得を生かして受ける方針を選んだ。
羽生は飛を切るなど激しく迫る。対して森内は、落ち着いた5八香(53手目)などとしのぎ、控室の評判も森内に傾いた。夜戦に入り、森内は入玉を果たしさらに優勢となった。しかし羽生は粘り強い着手で差を詰め、両者1分将棋となり、実戦の詰みが発見されるまでは、はっきり勝ちが判明しなかった。
いわき対局を終えて両者は「熱戦になってよかった」と同様の感想を語った。気合のこもった激闘譜だった。【山村英樹】
◇難しかった
森内名人の話 序盤は急戦で来られたので、いちばん激しい順で行った。しばらく守勢が続き、自陣の形も悪いので難しかった。攻め合いに行くか入玉を目指すか方針が定まらず、詰みが見えて初めて勝ったと思った。
◇もう少しましな指し方で
羽生王位の話 序盤は駒損を覚悟でこの形をやってみようと思ったが、攻めが細かった。終盤は入玉をされた形なので、ここでこう指せばという場面はなかったと思うが、もう少しましな指し方はあったかもしれない。