エネルギー・環境会議:電源構成、三つの選択肢 具体的影響を提示−−政府
毎日新聞 2012年06月30日 東京朝刊
政府のエネルギー・環境会議が29日、30年時点の電源構成に関する三つの選択肢を示した。原子力や火力などの電源構成比に加えて、二酸化炭素など温室効果ガスの削減度合いや、電気料金への影響などを具体的に提示。国民的議論に結論を委ねる方針を明確にした。しかし、今も原発に貯蔵され続ける使用済み核燃料の処理方法の将来像は見えず、不十分さを残した。
政府のエネルギー・環境会議が示した30年時点の電源構成に関する三つの選択肢は、福島第1原発事故後、安全性への懸念が高まる原発への考え方だけでなく、家計や企業の生産活動、環境面への影響も考慮に入れている。ただ、いずれの選択肢も太陽光や風力など再生可能エネルギー発電の大幅増加が前提で、実現に向けた課題も多い。
「原発ゼロ」案は、再生エネ発電の依存度が35%と最も高い。再生エネは、原子力や火力に比べ、発電効率や1施設あたりの発電量が劣るほか、電力需要の少ない地域での立地が多く、送電網の整備にコストがかかる。また、燃料費のかさむ火力への依存度は65%と最も高い。
この結果、電気料金は、2人以上世帯の場合、平均月1万4000〜2万1000円と、10年(月約1万円)の最大2倍程度に膨らむ。消費や企業活動などへの悪影響は一番大きい。
これに対し、現状維持の「原発比率20〜25%」案は、再生エネや火力への依存度が小さいため、電気料金は1万2000〜1万8000円と値上がり幅は最も小さい。地球温暖化対策となる二酸化炭素の排出量削減効果も90年比25%減と最大。原発事故のリスクをどう判断するかが最大の焦点となる。
また、原発15%案は両者の中間案の位置づけで、政府が掲げる原発の「40年廃炉規定」をベースにしており、政府内では有力視されている。