浪江町長:SPEEDIデータ非開示で国担当者の告発検討

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馬場有町長=田辺佑介撮影

 東京電力福島第1原発事故で「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)のデータなどを開示しなかったため、適切な避難指示を町民に出せず79人の災害関連死を招いたとして、福島県浪江町の馬場有町長が業務上過失致死容疑で国担当者の告発を検討していることが分かった。

 SPEEDIデータを消去した県側も告発対象とすることを含め支援の弁護士らと検討しており、5月中旬までに告発内容を決める方針。馬場町長は「当時の実態や責任の所在を公正な場で明らかにしなければ教訓にならない」と語った。

 町役場や町民は事故直後の11年3月12日、原発の北西約30キロの同町津島地区へ、15日にはさらに遠くへ避難。情報過疎のため指示は混乱し、15回近く避難を繰り返した町民もいる。馬場町長は、その負担が関連死の一因だと主張している。

 国・県からは▽放射性物質の拡散予測▽地上で実測した放射線量▽事故状況−−の連絡がなく、SPEEDIデータは3月下旬、線量は4月上旬に伝えられた。津島地区が町内でも特に高線量だと初めて分かったという。【泉谷由梨子】

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