シリア:IS、世界遺産に迫る パルミラ、破壊の危機

2015年05月18日

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ユネスコの世界文化遺産に登録されているシリア中部のパルミラ遺跡。ISによる破壊の危機にさらされている=2009年、AP

 【カイロ秋山信一】国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長は15日、シリア中部ホムス県のパルミラ遺跡(ユネスコ世界文化遺産)近くで、政府軍とイスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)との戦闘が激化していることに懸念を表明した。AP通信が報じた。ISはイラク北部で古代遺跡を略奪し、遺物の密売を資金源にする一方、遺跡の破壊を宣伝活動に利用しており、パルミラ遺跡を意図的に狙っている可能性もある。

 ボコバ事務局長は15日、レバノンの首都ベイルートで記者会見し、「パルミラ遺跡を軍事拠点や、軍事行動の標的にすべきではない。遺跡を保護するため、すべての軍事勢力は遺跡を離れるべきだ」と呼びかけた。

 在英の民間組織シリア人権観測所によると、ISは16日、パルミラの北部を一時制圧した。遺跡がある南西部へも接近を図っており、17日も政府軍との戦闘が続いた。13日以降、双方で約300人が死亡した。

 パルミラは隊商貿易の中継点として栄えた都市で、ローマ帝国時代の遺跡が数多く残っている。1980年に世界遺産に登録されたが、内戦突入後の2013年に危機遺産リストに記載された。

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