
バレーボール男子日本代表主将を務める石川祐希。イタリア1部リーグ・セリエAから世界に飛躍しています。
- ピックアップ
- 新着記事
- 基礎からわかる
-
100%ユウキ
石川祐希、五輪切符「絶対」獲得宣言 記者会見後に語った真意
2023/6/1 19:00 -
ユウキサイド
野口嵩広トレーナー、寝袋持参で石川祐希と語った夢
2023/5/29 19:00 -
セリエA4強の舞台裏語る 石川祐希初の公開トークイベント詳報
2023/5/22 19:00 -
100%ユウキ
VリーグとセリエA、レベルや応援の違いは イベント後も語る石川祐希
2023/5/22 19:00 -
100%ユウキ
石川祐希「こっちに来い」誰に言った? 帰国取材対応詳報
2023/5/15 19:00 -
ユウキサイド
ボクからオレに 石川祐希を変えた星城高・竹内裕幸監督の3年間
2023/5/15 19:00 -
バレー石川祐希が帰国 セリエA自身初の4強に「まだまだ先に行ける」
2023/5/13 23:18 -
石川祐希、18日に初の公開型トークイベント開催 200人限定
2023/5/10 12:42
バレーボール男子日本代表主将を務める石川祐希選手は、愛知・星城(せいじょう)高のエースとして史上初となる2年連続高校3冠(全国高校総体=インターハイ、国体、全日本高校選手権=春高バレー)を達成し、一気に脚光を浴びた。大学卒業後は国内実業団に属さず、活躍の場をイタリア1部リーグ・セリエAに求め、自らの技量とキャプテンシーを日々培っている。

読めばわかる「石川祐希」
石川選手は1995年12月11日生まれ、愛知県岡崎市出身。愛知・星城高を経て中央大。身長192センチ。ポジションはアウトサイドヒッター。世界中の一流選手が集うイタリア1部リーグ・セリエAでプレーし、現在はミラノに所属している。2021年、男子日本代表主将に就任。硬軟自在のスパイクと強烈なジャンプサーブ、安定したレシーブ力を兼ね備える。セッター経験もあり、スパイクを打つふりをしてトスを上げる「フェイクセット」も得意。目標は「世界のトップ選手」だ。
出合いのきっかけは「姉」

小学3年の時、一つ上の姉が入っていた近隣のスポーツ少年団と、石川選手が通っていた岡崎市立矢作(やはぎ)南小の男子バレーボール部との練習試合を見学に行った際、矢作南小の同部顧問に言われて突然、試合に出場した。
その場でスパイクのステップを習った。「やってみたら、バーンと打てたわけではないが、ちょんと触って返すことができて、うれしかった」と振り返る。それがきっかけで、小学4年から矢作南小の男子バレー部に加入し、本格的にバレーを始めた。
前人未到の2年連続高校3冠
愛知県は10年、全国都道府県対抗中学大会で準優勝した。当時、中学3年だった石川選手ら県選抜のメンバーが「高校で日本一に」と地元の星城高(愛知県豊明<とよあけ>市)に進学。高校2年の12年度、リベロも含めたレギュラー7人中6人が2年生という構成で、全国高校総体、国体、全日本高校選手権の三つの全国大会をすべて制した。
石川選手が主将に就いた翌13年度もさらにチーム力を伸ばし、史上初の2年連続3冠を達成した。年代別日本代表にも選出され、12年のアジアユース選手権で3位に入り、ベストスコアラーに輝いた。
大学在学中からイタリアで武者修行

中大に進学すると、1~3年の時に全日本大学選手権で3連覇を果たした。また、セリエAの強豪モデナから誘われ、「世界のトップレベルの選手が集まるチームで学びたい」と1年の12月から約3カ月間、初めて海外のクラブでプレーする「武者修行」を敢行した。
大学3、4年でも大学に籍を置いたまま、セリエAのラティーナで腕を磨き、自分自身の中でも自然と海外志向が高まっていった。
異例のプロ選手の歩み
日本の男子選手は、大学から国内の実業団に進むことが一般的だった。しかし、石川選手は「海外のトップチームでプレーをしたい。制限を受けず、結果次第で上を目指したい」として、プロ選手としてイタリアのクラブと契約を結ぶ異例の決断をした。
大卒1年目の18~19年シーズンはシエナに所属し、チームは2部降格と苦戦するも主力として活躍した。19~20年シーズンのパドバを経て、20~21年シーズン以降はミラノで中核を担い、カップ戦「コパ・イタリア」で2年連続の4強入りを果たした。
日本代表 21年から主将に

中大1年の14年、男子日本代表に初選出され、仁川アジア大会に出場した。15年に代表の有望若手「NEXT(ネクスト)4」に指名され、同年のワールドカップ(W杯)でバレーボール3大大会(オリンピック、世界選手権、W杯)の鮮烈なデビューを果たし、6位に貢献した。
16年リオデジャネイロ五輪は、世界最終予選兼アジア大陸予選で敗れて出場を逃したが、19年W杯で28年ぶりの4位に浮上し、21年の東京五輪では主将としてチームを29年ぶりのベスト8に導いた。
ポジションは攻守の要
石川選手は、攻守の要となるアウトサイドヒッターを務める。アウトサイドヒッターはコート上の6人のうち2人。サーブレシーブはリベロとアウトサイドヒッター2人の計3人が務める。スパイク時は、前衛はレフトから、後衛はセンターから主に打つ。ラリーの流れの中で高いトスを打ち込む役割も担う。
「シャイな少年、大きく成長」
初めて石川選手を取材したのは、星城高2年だった13年1月の全日本高校選手権だ。伸び伸びとプレーする星城高に魅了され、当時は西部本社運動グループ(福岡)に所属していたが、3年の全国高校総体と全日本高校選手権にも足を運んだ。当時からコート上で誰よりも存在感を発揮し、リーダーシップもあった。しかし、コートを離れて取材になるとシャイで口下手な少年だった。練習の取り組みや戦術はチームメートに聞かざるを得なかった。
印象が大きく変わったのは、中大在学中にイタリアで武者修行を重ねた後だ。大学4年の17年春、久しぶりに1対1でインタビューに臨むと、一つ一つの質問にしっかりと目を合わせて答えるようになり、将来の目標についても「世界の強豪チームのスタメンで結果を出すトップ選手」と力強く語るようになった。
学生時代に競技者としてバレーボールを愛好していた私は記者となり、過去の栄光にすがり旧態依然としているバレー界が変革することを願ってきた。
その中で、石川選手は「伝統」に風穴を開けるように大学在学中、武者修行としてイタリアに渡り、実業団を経ずにプロ選手になった。日本代表でも若い時から自己主張し、25歳で主将に抜てきされた。
攻守万能の鮮やかなプレーの背景には揺るがぬ探究心と向上心がある。石川選手のさらなる飛躍を見続けていきたい。【東京運動部・小林悠太】
もっと知りたい
連載
新着記事
-
100%ユウキ
石川祐希、五輪切符「絶対」獲得宣言 記者会見後に語った真意
2023/6/1 19:00 1738文字バレーボール男子日本代表は5月31日、愛知県春日井市で記者会見を開き、主将を務める石川祐希選手(27)=ミラノ=らが今季の意気込みを語った。来年のパリ・オリンピック予選は9~10月、東京・国立代々木競技場で行われ、石川選手は「出場権を絶対に獲得します」と力強く宣言した。 石川選手の取材対応での主な
-
ユウキサイド
野口嵩広トレーナー、寝袋持参で石川祐希と語った夢
2023/5/29 19:00 3507文字バレーボール男子日本代表の石川祐希選手(27)=ミラノ=には愛知・星城高時代から12年間、ともに歩んできたトレーナーがいる。愛知県豊橋市で接骨院を営む野口嵩広さん(35)だ。石川選手が拠点にしているイタリアには、寝袋持参で同行した。現地で住み込みながら石川選手と語り合った「世界一」は、野口さんの夢
-
セリエA4強の舞台裏語る 石川祐希初の公開トークイベント詳報
2023/5/22 19:00 2385文字バレーボール男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=が18日、自身初となる公開型トークイベントを東京都渋谷区の「渋谷ストリームホール」で開いた。イタリア1部リーグ・セリエAは通算8季目。チーム初の4強入りの舞台裏に加え、イタリア語は? イタリアンは? 約130人のファンがトークに聴き入った
-
100%ユウキ
VリーグとセリエA、レベルや応援の違いは イベント後も語る石川祐希
2023/5/22 19:00 1738文字バレーボール男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=は18日、東京都渋谷区で行われたトークイベント終了後、報道陣の取材に応じた。イベントでは語り尽くせなかったバレーへの思いを語った。 石川選手の取材対応での主な発言は以下の通り。【小林悠太】 ◇「危機感はあります」 (130人のファンが集ま
-
100%ユウキ
石川祐希「こっちに来い」誰に言った? 帰国取材対応詳報
2023/5/15 19:00 2499文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAで自身初の4強入りを果たした男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=が13日に帰国し、羽田空港で取材に応じた。躍進のシーズンにもかかわらず「悔しさ」を強調する理由や、イタリアでの激戦を通じて考えた日本代表の強化策について語った。 石川選手の取材対応
-
-
ユウキサイド
ボクからオレに 石川祐希を変えた星城高・竹内裕幸監督の3年間
2023/5/15 19:00 3557文字世界トップの舞台で活躍するアスリートも、キャリアの原点は初心者です。恩師やコーチ、スタッフらに育まれ、今の姿があります。随時連載「ユウキサイド」では、バレーボール男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=をコートサイドなどで支える人々を描きます。第1回は愛知・星城高総監督の竹内裕幸さん(48
-
バレー石川祐希が帰国 セリエA自身初の4強に「まだまだ先に行ける」
2023/5/13 23:18 517文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAで自身初の4強入りを果たした男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=が13日、帰国した。羽田空港で取材に応じ、「間違いなく今までで一番充実したシーズンだったが、準決勝で敗れた悔しさの方が強い。まだまだ先に行けると思った。この思いはこれからのプラスに
-
石川祐希、18日に初の公開型トークイベント開催 200人限定
2023/5/10 12:42 458文字バレーボール男子日本代表主将の石川祐希選手(27)=ミラノ=と、石川選手とアドバイザリー契約を結ぶ医療機器メーカー「コラントッテ」は18日午後6~7時、東京都渋谷区の「渋谷ストリームホール」で、初の公開型トークイベント「石川祐希選手スペシャルトークイベント」を開く。 イタリア1部リーグ・セリエAで
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、今季は4位 石川祐希「ステップアップして来季へ」
2023/5/8 19:00 1288文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは6日、上位8チームで争うプレーオフの3位決定戦第3戦がピアチェンツァで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は、今季のカップ戦「コパ・イタリア」王者のピアチェンツァ(同6位)に0―3で敗れた。 3日の第2戦も含めて3戦連続
-
頂点への覚悟
自分はストイック? バレー最優先のわけ=石川祐希/2
2023/5/3 19:00 1525文字セリエAのプレーオフで、これまで目標に掲げてきた4強に初めて進出しました。ミラノにとっても4強入りはクラブ史上初で、新しい歴史を作れたことがうれしいです。 一つの目標は達成しましたが、もっともっと、うまくなりたいという向上心は変わりません。完璧を目指したいですし、今日の自分を明日は超えたいという思
-
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、3位決定戦初戦は完敗 石川祐希7得点 プレーオフ
2023/5/1 19:00 1003文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは4月30日、上位8チームで争うプレーオフの3位決定戦第1戦がピアチェンツァで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は、今季のカップ戦「コパ・イタリア」王者のピアチェンツァ(レギュラーシーズン6位)に0―3でストレート負けし
-
週刊バレー・セリエA
石川祐希チーム最多20得点 ミラノは初の決勝逃す プレーオフ
2023/4/26 19:00 1156文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは25日、上位8チームで争うプレーオフの準決勝の最終第5戦がチビタノーバ・マルケで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は昨季王者のチビタノーバ(同4位)に1―3で敗れた。通算2勝3敗となり、チーム初の決勝進出を逃した。石川
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、逆転負けで2勝2敗 石川祐希23得点も プレーオフSF
2023/4/23 19:00 861文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは22日、上位8チームで争うプレーオフの準決勝第4戦がミラノで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は昨季王者のチビタノーバ(同4位)に2―3で逆転負けした。3戦先勝方式で2勝2敗のタイとなり、最終第5戦に勝った方が決勝に進
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、史上初の決勝進出に王手 石川祐希13得点 プレーオフSF
2023/4/20 19:00 1074文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは19日、上位8チームで争うプレーオフの準決勝第3戦がチビタノーバ・マルケで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は昨季王者のチビタノーバ(同4位)に3―0でストレート勝ちした。3戦先勝方式で2勝1敗としてチーム史上初の決勝
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、王者との激闘制しタイに 石川祐希MVP プレーオフSF
2023/4/17 19:00 1226文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは16日、上位8チームで争うプレーオフの準決勝第2戦がミラノで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は昨季王者のチビタノーバ(同4位)に3―2で競り勝った。3戦先勝方式で1勝1敗に並んだ。石川選手は両チーム最多22得点でMV
-
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、王者チビタノーバに完敗 石川祐希は7得点 プレーオフSF
2023/4/14 19:00 1117文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは13日、上位8チームで争うプレーオフの準決勝第1戦がチビタノーバ・マルケで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は昨季王者のチビタノーバ(同4位)に0―3で完敗した。石川選手は7得点で第3セット中盤に退いた。プレーオフ準決
-
週刊バレー・セリエA
ミラノ、史上初の4強進出 石川祐希18得点でMVP プレーオフ
2023/4/11 19:00 1308文字バレーボールのイタリア1部リーグ・セリエAは10日、上位8チームで争うプレーオフの準々決勝の最終第5戦がペルージャで行われ、石川祐希選手(27)が所属するミラノ(レギュラーシーズン8位)は今季のレギュラーシーズン無敗のペルージャ(同1位)に3―1で逆転勝ちし、通算3勝2敗でチーム史上初の準決勝進出
-
バレー男子代表、石川祐希ら37人登録 監督「目標は五輪切符」
2023/4/7 16:31 393文字日本バレーボール協会は7日、今季の男子日本代表の登録選手37人を発表し、イタリア1部リーグのミラノに所属する主将の石川祐希と日体大に所属したままパドバでプレーする高橋藍、主力の西田有志(ジェイテクト)らが入った。各国際大会に出る選手は、この中から選ぶ。 オンラインで記者会見したブラン監督は9月から
-
100%ユウキ
石川祐希「パリ五輪出場、見届けて」 バレー男子日本代表再任に
2023/4/7 16:18 622文字今季のバレーボール男子日本代表登録選手37人が7日に発表され、主将を務める石川祐希選手(27)=ミラノ=が選手を代表してビデオメッセージを寄せた。今年の最大の目標は、9~10月に東京で開催されるパリ・オリンピック予選での五輪出場権獲得となる。 石川選手のビデオメッセージは以下の通り。 ◇「身が引き
-
頂点への覚悟
「世界のトップ選手になる」 大学4年の大きな決意=石川祐希/1
2023/4/5 19:00 1565文字新年度が始まりました。今回、毎日新聞でコラムを連載することになり、タイトルを「頂点への覚悟」とします。「世界のトッププレーヤーになる」という目標を掲げたのは、大学を卒業したら海外クラブでプレーするプロになると決意した大学4年生の頃です。 プロになると高校、大学のようにカテゴリーが変わることがなくな
-