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工大福井 初出場の記憶/2 東海大一降し大歓声 「ケンカのつもりでいった」 /福井

東海大一戦で3点目のホームに駆け込む福井の選手

 <センバツ2017>

     1976年の第48回選抜高校野球大会で初出場した福井(現・福井工大福井)は3月29日、静岡の東海大一(現・東海大翔洋)との初戦を迎えた。県内から応援団2000人がバス40台に乗って駆け付け、アルプススタンドは熱気に包まれた。高校を卒業したばかりだった野球部OB会長の黒川二二夫さん(60)もスタンドに詰めかけた1人だ。「グラウンドに散った後輩が誇らしかった。そりゃ、初出場だから盛り上がりましたよ」

     盛り上がるスタンドとは対照的に、選手は緊張でガチガチになっていた。控え選手としてベンチ入りした清水恵二さん(57)は、上の方まで観客で埋まったスタンドをグラウンドから見上げた。「360度観客で囲まれる球場なんて初めてで、頭はまっ白でした」。エースの敦賀(旧姓・嶋崎)武美さん(58)も「あまりにも大きな球場に重圧を感じた」と振り返る。

     一方、5番打者だった笹島欣見(よしみ)さん(58)は「東海大一の縦じまユニホームがかっこよくて、都会のチームだなあと思ったよ。だから、ケンカのつもりでいった」

     午後0時35分、プレーボールを告げるサイレンが鳴った。敦賀さんがマウンドに上がったが、先頭打者に内野安打を許し、スクイズで先制点を奪われた。しかし、敦賀さんは「逆にチームの硬さがとれた」と話す。

     1点を追う二回表1死後、笹島さんが左中間に鋭い打球を放ち、三塁打となった。続く敦賀さんの中前打で同点に。四回に1点、八回には打線がつながり4点を挙げて試合を決めた。

     守備でも、敦賀さんが得意とする落差の大きいカーブとシュートが相手打線を翻弄(ほんろう)。1失点に抑え、東海大一の最後の打者を中飛に打ち取ると、スタンドから大歓声が沸き上がった。6-1。福井が春の甲子園で初勝利を挙げた瞬間だった。

     試合後のヒーローインタビューは三塁打2本、二塁打1本の活躍をした笹島さんだった。「たくさんの記者に囲まれてフラッシュもたかれて……。マイクを向けられたけれど、訳が分からなくて何を答えたのか覚えていません。ただ、何物にも代え難い感覚でしたね」と笑顔を見せた。

     福井は2回戦で優勝候補と評された天理(奈良)にも2-1で勝利。準々決勝に駒を進め、崇徳(広島)と対戦した。=つづく

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