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第89回センバツ話題校/7 呉(広島) 創部10年、夢の舞台に万感

パイロンに張られた糸ゴムを跳び越える選手たち=山田尚弘撮影

 <第89回選抜高校野球>

     公立校ながら創部10年で甲子園出場を果たした呉。母校・尾道商の監督だった1986年春以来4度目となるセンバツに、中村監督は「30年行けないと、もう無理じゃないかと思っていた。願えばかなう」。選手らと万感の思いを共有する。

     中村監督が赴任した2007年に野球部は創部した。部員集めにグラウンド探しからスタートする状況に、当時52歳だった指揮官は「(定年までの)8年で甲子園は無理」と思いながらも、タイプの異なる2校での経験をつぎ込んだ。

     県内の私学強豪に勝つために選んだのは、「基本に忠実な野球」。投手を重点的に育て、打撃ではライナー性の当たりを狙うよう徹底。塁に出れば犠打などで手堅く攻める。尾道商時代、これで3度の甲子園をつかんだ。

     一方、甲子園とは無縁だった賀茂では、厳しくすればするほど向かってくる姿に、鍛えられることに飢えている選手がいることを知った。今では中村監督がベンチでメガホン片手に怒鳴り声を響かせる姿は県内ではおなじみ。定年後も任期付き職員として残って授業も受け持つ62歳が「しんどい」と言いながらも大声を出すのは、選手を突き放し、考えさせるためだという。

     2回戦敗退で昨夏の広島大会を終え始動した新チームは、強豪校を破って秋の中国大会に出場し、準優勝。ベテラン監督の情熱的な指導が実を結んだ。「勝てなかった相手に勝てるようになった」とエースの池田は自信をみなぎらせる。

     甲子園で2度8強入りした経験を持つ中村監督が選手たちに伝えたいのは「ええ格好したら失敗する」。新たな教えを胸に、選手たちは平常心で大舞台に挑む。【丹下友紀子】=つづく

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