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春はばたく

第89回センバツ話題校/8止 熊本工(熊本) 「伝説」今度は自分たちで

丸太を抱えて走るトレーニングに励む選手たち=和田大典撮影

 <第89回選抜高校野球>

 「奇跡のバックホーム」として語り継がれる1996年夏の甲子園決勝の松山商(愛媛)戦。昨年11月、当時のメンバーが熊本市の藤崎台県営野球場に集まり、名勝負を再現した。昨年4月に発生した熊本地震の被災者支援として企画され、多くの観客が詰めかけた。今の部員たちは21年前の名場面を映像でしか知らないが、エースの山口は「僕たちで新たな伝説を作りたい」と誓った。

 今大会で、早稲田実、報徳学園と並ぶ最多の21回目の出場。だが、その伝統校も選抜出場は10年ぶり。この間、熊本県内の勢力図は変わり、私学が野球部に力を注ぎ始め、県内外から有望な選手が集まった。その流れを決定づけたのが、3季連続出場する秀岳館の登場だ。2014年に鍛治舎監督の就任とともに、鍛治舎監督が育てた大阪の中学硬式野球チームの選手を中心に集めた。

 「外人部隊」などと批判する声もある中、肯定的に見ていたのが安田監督だ。「結果を残しているし、それだけの練習をしている。倒さないと甲子園に行けない。うちにとってカンフル剤になった」。取り組んだのは基礎の見直し。キャッチボールから厳しく指導し、毎日の練習で個人ノックに時間を大きく割いた。昨秋の公式戦9試合で、4失策。守り勝つ野球として結実した。

 関連死を含め200人を超える犠牲者を出した熊本地震からまもなく1年を迎える。地域でボランティアをした部員たちは「野球で元気づけたい」という思いは強い。山口は「誰かのために一生懸命にプレーすることが勝利につながるはず」。伝説に続く、新たな記憶を刻む大会にするつもりだ。【生野貴紀】=おわり

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