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10人の飛躍

センバツ・不来方/下 逃げない投球、自信に 野手に任せる意識へ変化 /岩手

好投手を打ち崩すため、不来方の選手たちは打撃にさらなる磨きをかける=矢巾町の不来方高で

 昨年9月11日、花巻市は気温25度以上の夏日になり、花巻球場も熱気に包まれていた。秋季県大会の1回戦。遠野を相手に、不来方は序盤に満塁の好機をつかむと、舟山純平選手(2年)が走者一掃の三塁打を放つ。チームに勢いが付き、コールド勝ちを収めた。

     その後も勝ち進み、準決勝の花巻農との試合は今大会2度目の延長戦。好機に菊池勇輝選手(2年)が落ち着いて勝ち越しの二塁打を打ち、初の東北大会出場を決めた。

     決勝戦。盛岡大付に内野安打2本に抑え込まれる。連投で満身創痍(そうい)の小比類巻圭汰主将(2年)は力投も及ばず9点を奪われたが、マウンドから降りなかった。「強力打線に逃げない投球ができた」。選手たちは一戦一戦でさまざまな展開を乗り切り、少しずつ手応えを感じていった。

     その自信は、守備面にも及んでいた。大会前、小比類巻主将は味方の守りに不安を抱き、自分で抑え込むという気持ちが強かった。その思いが2回戦の福岡戦から変化する。

     先頭打者に安打を許しても併殺で切り抜けるなど、守備に助けられる場面が多かった。連投になると疲れがたまり、思い通りに抑えられなくなる。勝ち上がるにつれ「打たせて内外野手に27アウトを取ってもらえばいい」という思いを強くした。それからは「野手に任せる意識になった」(菊池康太捕手・2年)という。

     野手も新チームになって部員が減った分、多くのノックを受けるなどして練習の密度を高めていた。「場数を踏むと、うまくなりたいと思うようになった」。菅原岳人選手(2年)らは、実戦でも打球を無難にさばいていく。1試合の平均失策数は0・67個。センバツ出場32校の中で8番目に少なかった。

     成長の跡を見せたのが、昨年10月の東北大会だ。昨夏の甲子園にも出場した八戸学院光星(青森)と対戦。打線こそ140キロの左腕に0点に抑えられたが、得点機を3度演出。守備では、小比類巻主将が球威のある直球を軸に、フライで打ち取る粘投で2点に抑えた。小山健人監督は「本気になった強豪校との対戦は、貴重な財産」と振り返る。

     先月下旬、愛知県に遠征して、実戦に備えた練習に取り組んだ。「平松は……」「向井なら……」。練習中、選手たちはこれまでにまみえた投手の名前を口にする。今度こそ好投手を打ち崩そうと、さらなるステップアップを目指している。【佐藤裕太】

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    4月3日の試合

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