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第89回センバツ/中 監督、選手の橋渡し役

宇部鴻城のチームを支える(左から)福増さん、荒武さん、1年生の繁永友里恵さん

 <第89回選抜高校野球>

     宇部鴻城(山口)の嶋谷将平主将(2年)は入部直後、「そこまで言うんだ」と驚いた。3年生と一緒にプレーしていたが、どこか遠慮があった。すると、先輩女子マネジャーから「1年生は思い切ってやらないと意味がない」と指摘された。消極的な姿勢を見抜かれていたのだった。それからは、自分で考え、積極的に動くようになったという。

     選手にはっきりとものを言うのは、宇部鴻城女子マネジャーの伝統だ。現在は3人おり、怒られた後の態度や声の出し方などを観察し、選手の性格を考慮しながら監督の思いや自分なりの考えを伝える。監督の目が届きにくいグラウンド外での行動にも目を光らせ、体重管理などチームで決めたことを守れているか、注意を払う。

     まさに監督と選手の橋渡し役。尾崎公彦監督(46)は「指導者でも見えない部分を指摘してくれている」と信頼を寄せる。荒武華穂さん(2年)は「全国制覇するため24時間本気で野球をやってほしいし、それを本気で支える」と力を込めた。

     伝統の始まりは2010年冬。当時2年生だった佐藤ともみさん(23)が練習試合前、ダラダラと準備する姿を見かねて怒ると、それだけで選手の動きが変わった。以来、「厳しくも気遣いのできるマネジャー」を意識した佐藤さんの姿勢は、後輩に受け継がれていった。12年に夏の甲子園初出場、春も15年、今回と出場するなど好結果につながっている。

     紅白戦でスコアをつけていた福増さりあさん(2年)はある選手の打撃が気になった。「もっと積極性を見せないと。メンバー入りの当落線上なのに監督さんが求めることが分かっていない」。日ごろ、監督やコーチらの会話を聞いているだけに痛切に分かる。そして、それをどう伝えるかに気を配る。

     嶋谷主将は「マネジャーと一緒になって勝つ」と力を込める。その存在は、陰の大黒柱ともいえる。【浅妻博之】

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