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第89回センバツ/下 目指すは「ディズニー」

練習を見守る仙台育英の小野寺航希助監督(左端)

 <第89回選抜高校野球>

     仙台育英の練習は、佐々木順一朗監督(57)が直接関わることがあまりない。メニューを選手が作っているからだ。助言することはあっても決めるのは選手。「ラン(走り込み)系が足りないから増やしましょう」。つらい練習を自ら課してくることもある。メニューの作成から実践までの中心的存在は、現役部員が務める「助監督」。現在の小野寺航希助監督(2年)は1年の冬、部員間の話し合いで選ばれ、「チームの力になれるなら」と選手から転身した。

     部員主導のマネジメントの原点は約50年前。佐々木監督の前任で東北高時代の恩師、竹田利秋氏(76)=現・国学大総監督=が同高で1965年春にスタートさせた。竹田氏によれば、当初は助監督ではなく、投手や捕手、内野などのコーチ役を専従で設けた。「ベンチに入れない部員に活躍の場を与え『チームはみんなで作るものだ』と、自身の存在意義を見いだしてもらう」のが狙いだった。竹田氏が仙台育英に移った85年以降も引き継がれてきた。

     現在は部員88人の大半が何らかの役割を担う。内野、外野、打撃のコーチ的な担当もあればグラウンド外の環境を整える「DIY(Do It Yourself)」のような係もあり、その数は約40に上る。

     かつては力で引っ張る指導者だったと振り返る佐々木監督。

     だが、「もう選手はそれではついてこない。時代についていけなければ指導者の負け」。

     今、掲げるのはディズニーランド構想だ。「ディズニーランドのキャスト(スタッフ)は一日に何万回も頭を下げ、笑顔で客に応対する。誇りがなくてできますか」。人が何を求め、そのために自分は何をすべきなのか。日常生活から頭に描いて動けば、プレーにも表れる。そんな「キャストをみんなで目指そうよ」というわけだ。

     「チームが一つになることは甲子園に出たり、勝ったりすることより難しい」(佐々木監督)。選手主導のマネジメントには、高いハードルに挑戦し続ける強固な意志が込められている。【村田隆和】

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