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多治見センバツ初出場 夏に再起誓う 大応援団、温かく /岐阜

報徳学園に敗れ、アルプス席の応援団にあいさつをする多治見の選手たち=阪神甲子園球場で、木葉健二撮影

 <第89回選抜高校野球>

     第89回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第2日の20日、21世紀枠で初出場の多治見が報徳学園(兵庫)と対戦し、0-21で初戦敗退した。エースの河地京太投手(3年)が序盤の大量失点で力尽き、打線も3安打と振るわなかった。地元の多治見市などから駆けつけた人たちがアルプス席を埋め、最後まで温かい声援を送った。大敗の悔しさを脳裏に焼き付けた多治見ナインは夏に向かって再起を誓い、会場を後にした。【沼田亮、梶原遊、中村宰和】

    報徳学園に敗れ、グラウンドの土を集める多治見の選手たち=平川義之撮影

     ▽1回戦

    報徳学園 208002405=21

    多治見  000000000=0

     東濃から約4000人がバス90台で応援に駆けつけ、アルプス席がスクールカラーの紫色に染まった。二回、主力の森翔太選手(2年)がチーム初安打を放つと大きな歓声が上がった。父・誠治さん(46)は「打ってくれると信じていたのでうれしい」と語った。

     五回には山田智也捕手(3年)が二盗を防ぐなど積極的な守備も光った。母・みゆきさん(42)は「守備で役目を果たした。笑顔で楽しく野球ができている」と喜んだ。

     投げては、エースの河地投手が初回、報徳学園の強打線につかまり2失点、三回には6長短打に失策も絡み大量8失点で降板した。河地投手の母・真由美さん(43)は「点は取られたけど、いい経験になっているはず」と話した。

     2年の柘植慶司、前田歩夢両投手がマウンドを託され、12安打を浴びながらも踏ん張った。柘植投手の母・千晶さん(44)は「昨秋は肩のけがで投げられなかったが、センバツの舞台に立ててドキドキ。体は細かったが、野球部で鍋料理をたくさん食べ体格も良くなった」と、息子の成長に目を細めていた。

     八回には三戸悠平選手(2年)が、チーム3安打目の中前打を放って最後まで意地を見せた。三戸選手は「守備位置が応援席に近かったので『あきらめず頑張れ』という声援が本当にうれしかった。なんとしても出塁しようと思っていた」と温かい応援に感謝した。

     アルプス席で応援した土岐市の西陵中で野球クラブに所属する新藤滉太さん(13)は最後まで全力を尽くす選手たちを見ながら「いつか自分も甲子園に出たい」と話していた。

    土岐商と合同演奏

     ○…アルプス席では甲子園出場3回の経験を持つ土岐商業と、多治見の吹奏楽部が合同で応援曲を奏でた。多治見のセンバツ出場決定を受けて土岐商に依頼、合同の練習を積んできた。この日は多治見の卒業生を含めて計78人が演奏。多治見の吹奏楽部、加藤美有部長(3年)は「選手たちが頑張っているので、私たちも一生懸命吹いた。甲子園で演奏できてうれしい」と話した。土岐商の加藤万由部長(3年)は「2校の音を一つして選手たちの力になることができた」と笑顔だった。

    後援会長ら感激

     ○…アルプス席を満員にする目標を掲げ、センバツ出場決定から奔走してきた甲子園出場後援会の伊藤良一会長(77)は「観客の多さや応援の大きさは別格で、全国の高校が聖地・甲子園を目指す思いがわかった」と感慨深そうだった。敗戦が決まり「勝って校歌を歌う希望はかなわなかった。この悔しさをバネに、もう一度、チャレンジしたい」と前を向いた。多治見市の古川雅典市長や多治見商工会議所の田代正美会頭、古屋圭司衆院議員らも応援に駆けつけた。古川市長は「夏に戻ってきてほしい」と言い、田代会頭は「これだけの人が集まったのはすごい」と話した。

     ■熱球譜

    また全国の舞台で 河地京太投手=3年

    河地京太投手

     「全国のレベルは高かった」。報徳学園の強打線から三振も奪い、練習してきたチェンジアップに手応えも感じた。だが序盤で大量失点を許し三回途中でマウンドを譲った。力の差が身にしみた。

     外部コーチで同校OBの安田浩貴さん(34)から助言を受け、昨年の夏前、投球フォームをオーバースローからスリークオーターに変えた。それまで課題だった制球が格段に安定し、球威も増した。

     オフシーズンには自宅周辺を走り込んで下半身を強化し、球威力アップに努めた。体重は昨秋から7キロアップし現在は82キロでたくましくなった。持ち前の直球を生かすため、打者のタイミングを崩すチェンジアップの習得にも取り組んだ。高木裕一監督は「直球がシュート回転して入ってくるので、常時135キロ出せれば打ちづらい」と期待を寄せた。

     大差で敗れはしたものの、21世紀枠で甲子園初出場を果たした経験を生かし、夏に向けてどう取り組むか--。「甲子園の経験を生かさないと出た意味がない。この悔しさをバネに底上げを図りたい」と語る。「また全国の舞台で投げたい」。静かに闘志を燃やした。【沼田亮】

    栄光の架橋で一体

     ○…六回の攻撃が始まると、立ち上がった生徒約600人が肩を組み、ゆずの「栄光の架橋」を歌った。あきらめないことがテーマの曲がチームの目指す姿に合っている、と昨秋の東海大会で歌い、甲子園で再び披露した。応援団長で野球部員の山田涼太さん(2年)は「後ろからたくさんの人の声が聞こえてきて、スタンドが一体になったと感じた。肩を組んだ隣の人と気持ちもつながり、最高に良かった」と話した。チアリーダーの工藤妃奈(ひな)さん(3年)は「泣きそうだった。どんなに苦しい状況でも、みんなが一つになって応援している。あきらめずに頑張ってほしいという思いが野球部に届いてほしい」とエールを送った。

    400人が観戦 多治見でPV

     多治見市新町の市産業文化センターで20日、パブリックビューイング(PV)があり、少年野球クラブの子どもや市民ら約400人がスティックバルーンをたたきながら応援した。

     少年野球チーム「精華クラブ」「13クラブ」の子どもたち35人がユニホーム姿で大型画面を見守った。対戦相手の報徳学園に大差を付けられる展開だったが、参加者たちは最後まで多治見のプレーを懸命に応援した。

     試合後、「精華クラブ」のエース鵜飼祥生投手(11)=昭和小5年=は「相手が強かった」と残念そう。主将の菅田翔太捕手(11)=同=は「大差だったけど、最後まであきらめずに戦った姿が格好よかった。僕も甲子園を目指したい」と話した。【立松勝】

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