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大阪桐蔭、主将が友情のミット

【宇部鴻城-大阪桐蔭】試合前、笑顔で話す大阪桐蔭の福井章吾主将(左)と岩本久重記録員=阪神甲子園球場で2017年3月25日、津村豊和撮影

「手のひらの骨折」の捕手で副主将をカバー、マスクかぶる

 第89回センバツ第6日の25日、第1試合に登場した大阪桐蔭の福井章吾主将(3年)は、開幕を目前にけがをした岩本久重(ひさしげ)捕手(3年)に代わってキャッチャーマスクをかぶった。副主将の岩本捕手から託されたミットは、強豪校を率いる重圧を分かち合ってきた友情の証しだ。「久重の使命感まで伝わってきて気合が入る」

 2月中旬、試合形式の練習中に打席でスイングをした岩本捕手の左手に鋭い痛みが走った。強肩強打で鳴らすキーマンを襲ったのは手のひらの骨折。野球選手に時として起こる。もうすぐセンバツなのに。悔しさが込み上げ、寮で泣いた。「このまま試合に出ても迷惑をかけてしまう。今は耐える時」と気を取り直した。3月10日に手術を受け、出場は絶望的になった。

 「久重の無念さは誰よりも分かる」と福井主将は気遣う。昨夏の新チーム結成当初、2人は毎日、寮でミーティングを開き、課題や反省点を全員がノートに書くことを決めた。プレーの精度を高めるためサインプレーを一つ一つ紙に書いて部員に配ったのも2人のアイデアだ。チームを二人三脚で作ってきたという自負があった。

 福井主将は入部当初、捕手。昨年春、内野手に移った。「肩の強さを含めて能力は久重の方が断然高い」と実力の差を認める。だからこそ岩本捕手のミットを手にする。「久重の思いが伝わり、良いプレーができそう」と感じるからだ。大柄な岩本捕手のミットは大きくて使いづらかったが、練習ではめ続け、今ではしっくりきている。

 福井主将は試合前、「良い形でミットを返せるよう日本一を取りたい」と意気込んだ。岩本捕手は「持ち前のリーダーシップでチームを引っ張ってくれるはず」と期待を寄せた。記録員としてベンチに入り、チームメートの戦いぶりをスコアブックに記した。【大森治幸】

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